- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、海外の最新論文を元にした科学的エビデンスに基づき、経営者である著者自身も実践する、ビジネスパーソンのための睡眠メソッドを解説。睡眠の原理・原則から近年の研究で明らかになった新常識などまで、よりよい睡眠とパフォーマンスをあげるための必須の知識とノウハウを具体的に公開している。
著者は450年続く老舗寝具メーカー昭和西川の代表取締役副社長、睡眠サービスコンソーシアム理事などを務め、睡眠改善インストラクター、睡眠研究家としても活躍する人物。35歳頃から睡眠の質は急激に低下するという。寝つきの悪さや日中の眠気、慢性的な疲れなどに悩む方はぜひご一読いただきたい。
昭和西川株式会社 代表取締役副社長。睡眠改善インストラクター/温泉入浴指導員/セロトニントレーナー。学習院大学卒業後、「ウ?ァンテーヌ」「25ans」「婦人画報」の編集者としてハースト婦人画報社に10年間勤務。現在は家業である昭和西川の代表取締役副社長を務め、また睡眠研究家として「東洋経済オンライン」で睡眠記事を連載、「ミス日本」ファイナリスト勉強会や「NHK文化センター」青山教室などで睡眠講義を行うほか、各種メディアへの寄稿や企業での講演活動も行っている。科学的データを参考にしながら、自身の身体を実験台に、日中にパフォーマンスUPするための快眠法を日々研究中。
2020年3月より、事業者・仲介者・ユーザー・アカデミアなど業界を横断する企業・団体で設立した睡眠サービスコンソーシアムの理事も務める。
第2章 俗説にダマされるな!「睡眠の新常識」
第3章 「朝の過ごし方」で午前中のパフォーマンスが劇的にアップする
第4章 夕方まで高いパフォーマンスを持続させる「日中の過ごし方」
第5章 疲れを翌日に持ち越さない「夜時間」の過ごし方
第6章 翌日のパフォーマンスに直結!「快眠」のための環境づくり
要約ダイジェスト
どこでも眠れる人こそ、実は危険
アメリカ国立睡眠財団によれば、26~64歳の睡眠時間は7~9時間がベスト。6時間未満でも10時間超でも脳や健康に悪い影響を与えることがわかっている。日本の睡眠学者の間でも、成人が健康に過ごすには「7時間程度の睡眠は必須」というのが共通認識だ。
ところが、厚生労働省の2018年の「国民健康・栄養調査」によれば、平均睡眠時間が「6時間未満」という成人が約4割、うち40~50代は約5割にも上る。日本人の40%近くが、アメリカ国立睡眠財団の限界範囲以下の睡眠時間しかとれていないのだ。
これが、1日や2日ならさほど気にすることもないが、問題は、どんどん負債を蓄積させているケースだ。例えば、最低7時間は眠るべきところを5時間でよしとしていれば、1日に2時間ずつ睡眠負債は溜まっていく。それを5年、10年と重ねてしまっているのが現代のビジネスパーソンなのだ。
しかも、睡眠負債を重症化させている人ほどそれに気付かない。「どこでも眠れる」と豪語する人など、その典型だ。「どこでも眠れる効率のいい体」と思うかもしないが、本当は「どこでも眠れてしまうほど心身は限界に達していて、いつ病気になってもおかしくない体」と言える。
「めちゃくちゃ寝付きがいい」人も要注意だ。本来、健康な成人は寝付くまでに10~20分くらいかかるのが普通だ。あっという間に寝付いてしまう人は、それだけ体が睡眠を欲していて、