『社長、僕らをロボットにする気ですか?―正しいマニュアル導入で人を成長させ、組織の生産性を高める方法』(中山亮/著)

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 昨今、働き方改革や新型コロナウィルスの影響などで、業務のリモートワーク化、効率化が急激に求められている。それらの対応策の一つとして、業務マニュアルの整備があげられるが、「マニュアル人間」という言葉があるように、世間ではマニュアルに対するネガティブイメージが根強い。

 しかし、マニュアルは正しく使えば業務の生産性を高め、より創造的な仕事に多くの時間を割くためのツールとなる。他にも業務クオリティの標準化、教育ツールとしてなど、マニュアルのメリットも多い。本書では、これまで500社以上の企業にマニュアルによる業務改善を行ってきた著者が、正しいマニュアルの在り方、作り方を具体的に解説。

 著者はリクルート、プルデンシャル生命保険などでトップ営業マンとして活躍する中で組織づくりにおけるマニュアルの重要性に気づき、マニュアル導入によって企業の人材育成や業務改善を実現する株式会社 2.1を創業。2019年より内閣官房「業務の抜本見直し推進チーム」アドバイザーも務める人物。

著者:中山 亮(Nakayama Ryo)
 株式会社2.1代表取締役。内閣官房「業務の抜本見直し推進チーム」アドバイザー。長崎大学大学院を修了後、株式会社アルファシステムズに入社。SEとして従事。その後、株式会社リクルート、プルデンシャル生命保険株式会社に勤務。住宅情報誌の提案営業でのMVP受賞、業界の上位1%の保険営業マンに贈られるMDRTの称号などを獲得後、部下のマネジメント業務を行いながら組織づくりにおけるマニュアルの重要性に気づく。しかし、多くの企業に戦略的なマニュアルが無く、そのことで生産性が妨げられ、人材の活躍までも妨げられている事実に気づき、2014年、企業の人材育成や業務の改善を、マニュアル導入によって実現するサービスを発案し、株式会社2.1を創業。代表取締役に就任。
 これまで500社以上の企業に対し、マニュアルによる業務改善を行い、2019年より、内閣官房「業務の抜本見直し推進チーム」アドバイザーに就任。
序章
第一章 マニュアルが“マニュアル人間”を作るわけじゃない!
第二章 マニュアルこそが会社を大きく成長させる!
第三章 仕事も姿勢も必ず変わる!全業務 マニュアル化入門

要約ダイジェスト

マニュアルは“悪者”なのか?

 近年の「働き方改革」やリモートワークへの取り組みによって、「業務の可視化」や「業務効率化」、「生産性向上」はますます重要なキーワードになってきた。それらを実現させるための有効な施策のひとつに「マニュアルの導入」がある。

 しかし、残念なことに、多くの方が「組織を効率化する」=「社員を型にはめる」ものだと考えている。結論から言うと、社員を型にはめようとして作るマニュアルが定着することはない。なぜなら、型にはめられる側である現場の人たちからすれば、決して気持ちのいい施策ではないからだ。

 その上で、私たちは、「マニュアル=型」と考えている。ただし、ここで言う「型」は「基本」という意味だ。例えば、空手の型には、長い歴史の中で磨かれ、受け継がれてきた「技」と「心」の“基本”が詰まっている。そして、それが“極意”にも通じている。

 ただしこの型は、武道などと少し違うところがある。大きなポイントとなるのが、①目的、②行動、③結果の3つの要素だ。飲食店の業務としての「トイレ掃除」を例に具体的に説明しよう。

 トイレ掃除は「何のためにやるのか?」といえば、「お客様がトイレがキレイだと気持ちがよく、おもてなしの気持ちを表すことにもなる」ためだ。これが①の「目的」である。次に、「どのように掃除するのか?」といえば、「モップで床を水拭きする」「ぞうきんを替えて3回磨く」など、掃除の手順や方法が挙げられる。これが②の「行動」だ。

 そして③の「結果」、すなわちその業務の「所要時間」や「期限」、終わった後の「状態」も明確になっていなければ、作業時間は5分で早いけど雑に終える人、丁寧だけど1時間で終える人など、

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