『感情はコントロールしなくていい』
(石原加受子/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 現代社会では、「怒り」や「不安」「焦り」といったネガティブな感情は、社会生活を不快にするものとして疎まれ、それらを「コントロールする方法」がネットや書籍にあふれている。しかし、心理カウンセラーの著者によれば、感情はそもそも自分の身を守るためのメッセージであり、無理に抑えれば、限界に達したときに暴走するもととなる。

 本書は、タイトルの通り、感情をコントロールしようとせず、正しく向き合い、「味方につける」という視点からその方法を具体的に説いた一冊だ。怒りっぽい人や、いつも不安に駆られている人が、なぜそうなるのか、どう対処すれば良いのか、家庭や職場、社会的背景などから分析し、感情の取り扱い方法を1つひとつ解き明かしていく。

 著者は「思考・感情・五感・イメージ・呼吸・声」などをトータルにとらえた独自の心理学を用いて、セミナーやカウンセリングなどを行う心理カウンセラー。SNSの広がりで他者評価が目につきやすくなった現代、自分の感情と向き合うスキルは必須といえる。ネガティブな感情や、感情の起伏に悩んでいる方はぜひご一読いただきたい。

著者:石原 加受子(Ishihara Kazuko)
 心理カウンセラー。「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表。日本カウンセリング学会会員、日本学校メンタルヘルス学会会員、日本ヒーリングリラクセーション協会元理事、厚生労働省認定「健康・生きがいづくり」アドバイザー。「思考・感情・五感・イメージ・呼吸・声」などをトータルにとらえた独自の心理学で、問題解決、生き方、対人関係、親子関係などのセミナー、グループ・ワーク、カウンセリングを行う。『「しつこい怒り」が消えてなくなる本』(すばる舎)、『仕事・人間関係「もう限界! 」と思ったとき読む本』(KADOKAWA)などベストセラー著書多数。累計100万部超。
第1章 「怒り」を味方にすれば「人間関係」はうまくいく
第2章 「我慢」を味方にすれば「ストレス」がなくなる
第3章 「競争心」を味方にすれば「成果」が出る
第4章 「見栄」を味方にすれば「優れた能力」を発揮できる
第5章 「不安」を味方にすれば「行動」しやすくなる
第6章 「焦り」を味方にすれば「成功」する
第7章 感情を味方にするとすべてがうまくいく

要約ダイジェスト

感情は自分を知るための「情報」

 ネガティブな感情を毛嫌いする人がいる。ネガティブな感情を何とかコントロールしようと四苦八苦する人や、必死に抑えて耐えようとする人もいる。こうした人たちに共通するのは、ポジティブな感情を感じる心に乏しいということだ。感情に鈍感になれば、ポジティブな感情も、同時に失っていくのだ。

 ネガティブな感情であれポジティブな感情であれ、理由がなく起こることはない。自分にとって好ましいことが起これば、ポジティブな気持ちになるし、不都合なことが起こればネガティブな気持ちになる。感情は自分にとっての「情報」であり、自分の問題点を見つけ出すツールなのだ。だから、「感情を抑えたり、コントロールする」のは間違いだ。

 すぐにカッと頭に血がのぼったり、直接自分と関係がない相手に怒りをぶつけたりしてしまうのは、自分がさまざまな問題を抱えているからだ。だが、他者に怒りをぶつけても「自分の問題」は解決しない。むしろ自分の問題を未解決のまま、「怒り」という感情を管理したりコントロールしようとすれば、制御できるどころか暴走してしまうだろう。

 私は長年の心理療法を通して、「自分中心」「他者中心」というとらえ方で心のメカニズムを語り、それを「自分中心心理学」と呼んでいる。「自分中心」の生き方は、物事を、自分を中心にした視点でとらえて思考、判断、選択し、行動する。自分中心であればあるほど、自己信頼が高くなっていき、どんな自分であっても認められるようになっていく。

 反対に、「他者中心」の生き方は、物事を、他者を中心にした視点でとらえて思考、判断、選択し、行動していく。この他者中心の生き方は、他者や外側を基準とするために、一般常識、規範、規則、ルール、習慣、風習といったものを重視する。自分の心や思いや気持ちよりも、外側にあるものに、自分を適応させようとするのだ。

 他者から承認で得られない不満足感が、自分の心の底に鬱積していたら、ネガティブな感情が生成され、他者にぶつけないではいられないほど増幅していく。実は、これが「怒り」の正体だ。つまり、

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