『Pitch ピッチ 世界を変える提案のメソッド』
(Open Network Lab/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
「エレベーター・ピッチ」という言葉をご存じだろうか。スタートアップ企業が多忙な投資家から投資を受けるために(エレベーターに乗っている間程度の)短時間で行うプレゼン(ピッチ)のことで、従来の会議室で時間をかけるプレゼンとは異なり、時間や場所、相手の予備知識を問わず、「その場で相手の決断を引き出す」ことをゴールとしている。

 そのノウハウは、当然ながらあらゆるビジネスシーンでも有効だ。そこで本書では、日本初のシード・アクセラレーター(創業前後の初期スタートップ企業への投資・支援を行う組織)であり、150社以上に投資してきた Open Network Lab(オープンネットワークラボ:通称オンラボ)が、そのピッチのノウハウをわかりやすく解説する。

 オンラボのデモデイ(3か月間の育成プログラムの締めくくりに、投資家を招待して行うピッチイベント)での実際のピッチ資料や、その過程も公開。ピッチの前提となる新規ビジネスの創り方についても詳細に述べられている。今後起業や資金調達、新規事業を検討している方はもちろん、プレゼンスキルを磨きたい方にも必読の一冊。

著者:Open Network Lab(オープンネットワークラボ)
 Open Network Lab(通称 Onlab オンラボ)は、デジタルガレージが運営する日本初のスタートアップ・アクセラレーターです。「グローバルで活躍する起業家の育成・支援」を目的に2010年4月より活動しています。これまでに日本・米国をはじめとする世界の様々な国や地域のスタートアップから累計1,000チーム以上の応募がありその中から述べ150社以上ものスタートアップに投資し、事業支援を行ってきました。スタートアップの為の短期集中型アクセラレータプログラムの運営や会社経営における最先端のノウハウを持つスペシャリストを招いたメンタリングなどを通じて、スタートアップが成長・成功するための最高の環境を目指しています。
第1章 ピッチとは何か?
第2章 スタートアップがピッチで「人を動かした」事例
第3章 ピッチで人を動かすために/アイデアの具体化
第4章 ピッチの組み立て方
第5章 オンラボ卒業生インタビュー
第6章 未来を切り拓くピッチ

要約ダイジェスト

ピッチは「相手に決断させる」もの

 ピッチとは何か?一言でいえば、相手の決断を引き出す提案方法だ。一番の特徴は、相手の予備知識や環境などの条件が整っていない中でも、その場で相手の決断を引き出すのをゴールにすることだろう。一般にスタートアップに与えられる提案のための時間は長くないからだ。

 ピッチのメソッドは、スタートアップによる投資家向けのピッチに限らず、人材採用、社内提案などさまざまな場面に活用できる。相手や目的によって求められるピッチは異なっても、すべてに共通するのが「相手に何をしてほしいのか」を明確に述べることだ。

 相手が「何に注目するか」「どう受け止めるか」に想像力を働かせて要点を絞り、短い時間でも、伝えて「決める」。これらピッチのノウハウは「人を巻き込んでいく技術」として、ビジネスに限らずあらゆる場面に活用できる。具体的には、オンラポでは、次のステップでピッチの準備に取り組んでいる。

ピッチの組み立て方

下準備 アイデアを具体化し、価値を結晶化する

 オンラポのプログラムは、初日に以下の7項目のフレームワークを埋めてもらうところからスタートする。
(わたしのアイデアは)
・誰の:対象とするユーザー層
・(どんな)課題を:そのユーザー層が抱える「解決されるのを、切望する悩みや痛み」
・(どう)解決する:どんな方法で用いてどのくらい悩みや痛みを解消できるのか
・なぜ今:課題の緊急性と今後の展望、今だからこそ解決できる理由
・既存代替品:代替品と比べたらユーザーにとってどこに優劣があるのか
・市場規模:事業はどこまで成長する可能性があるのか
・なぜあなた:その事業に取り組む上で客観的な優位性となる個人やチームの特性や、その必然性

 極論すれば、このフレームワークが描ければ、ピッチのベースは完成したも同然だ。この7項目は「誰かの課題を解決できるプロダクトが成功する」という考え方に基づいている。「誰の」の人数や経済力が大きいほど、

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