- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書は、企画した本の累計発行部数 1000万部超の敏腕書籍編集者が、そうした考え方のコツ、技術を解説する一冊だ。具体的には、「考える」を「広げる」と「深める」に分解し、その実践的な手法を事例とともに紹介。ベストセラーを 50冊以上生み出してきた編集者が使ってきたアイデア発想の方程式が惜しげもなく披露されている。
また、後半では考える技術を磨くために役立つ習慣などについても言及。アイデアの質を高めたい、アイデアで差別化したい、思考の幅を広げたいという方にはぜひ手に取っていただきたい。一読すれば、「目的を達成するために考えること」は、クリエイティビティやセンスではなく、誰にでも使える武器であることがわかるはずだ。
編集者。1968年生まれ。東京都出身。聖光学院高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。その後、ぶんか社、アスキーを経て現在、株式会社アスコム取締役編集局長。長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部を越えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。特に実用書のジャンルで数々のヒットを飛ばしている。現在は本の編集だけでなく、企業のクリエイティブコンサルティングや事業構築のサポート、講演やセミナーの講師など多岐にわたり活動中。
第2章 「考える技術」で未来は変えられる
第3章 「考える技術」を思い通りに使いこなす
第4章 頭の中をクリアにする「思考ノート」のつくり方
第5章 考える技術がさらに上がる習慣
要約ダイジェスト
考える=「広げる」+「深める」
「考える」には方程式がある。料理のレシピをイメージしてもらうとわかりやすい。料理が得意ではない場合は、まずはレシピに忠実につくってみることだ。勝手なアレンジを加えるとたいてい失敗する。思考も同じだ。
考えるとは『広げること』と『深めること』である。日本の人口減少問題を考えるときも、地域再生について考えるときも、新しい商品の企画を考えるときも、おいしいカレーとはなにかを考えるときも、全部基本は同じ。「広げる」と「深める」で考えるのだ。
「広げる」とは、可能性を考えていくことだ。いままで存在しなかったものを生み出したり、新しい価値をつくっていくことでもある。「深める」とは、本質的価値を考えていくこと。「そもそも」を考えることでもある。
だが、「思う」を「考える」だと誤解しているケースがよくある。「思う」は頭に浮かんでくる、感じること。「考える」は目的のために意識的に思考することだ。「考える」と「知っている」も違うことも知っておこう。
また、「考える」には「論理的に考える」と「非論理的に考える」の2つがある。論理的思考でよくあるのが、市場の動向や販売実績、競合調査などの膨大なデータをベースに「考えていく」ケースだ。
だが、データはあくまでも「過去」の情報だ。一方で、「考える」は未来にベクトルが向いている。「未来」は誰にもわからないから、ロジカルに考えるだけではなかなか答えが導き出せないことがある。そのときに必要なのが、「非論理的に考える」である。
「非論理的に考える」で大ヒットした商品が、