『職業、挑戦者―澤田貴司が初めて語る「ファミマ改革」』
(上阪 徹/著)

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 店舗数の飽和が叫ばれ、24時間営業問題で加盟店と本部の軋轢が表面化するなど、近年コンビニエンスストア業界の環境変化が著しい。そんな中、2016年にサークルK・サンクスとの経営統合を行い、店舗数業界2位に躍り出たファミリーマート(以下ファミマ)。その統合を完遂し、現在も同社の大胆な変革に挑んでいるのが、現社長の澤田貴司氏だ。

 同氏は伊藤忠商事、ファーストリテイリングを経て企業再生を手掛けるリヴァンプを創業、古巣でありファミマの筆頭株主でもある伊藤忠商事からの要請で社長に就任。本書では、一貫した「現場第一主義」に基づく澤田氏の改革と、「挑戦者」としての同氏の人となりを明らかにし、新生ファミマが描くコンビニエンスストアの未来像を展望する。

 著者は経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに執筆やインタビューを手掛けるブックライター。徹底した取材力に定評があり、本書でも澤田氏の肉声からその改革手法の本質に迫っている。小売・流通業に携わる方はもちろん、組織改革やレベルアップに取り組むリーダー・経営層も多くのヒントが得られる一冊だ。

著者:上阪 徹(Uesaka Toru)
 ブックライター。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、webメディアなどで幅広く執筆やインタビューを手がける。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年、フリーランスとして独立。これまでの取材人数は3000人を超える。著書に、『あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか?』(東洋経済新報社)、『JALの心づかい』(河出書房新社)、『マイクロソフト 再始動する最強企業』(ダイヤモンド社)、『リブセンス〈生きる意味〉』(日経BP社)、『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』(あさ出版)など多数。インタビュー集に、累計40万部を超えるベストセラーとなった『プロ論。』シリーズ、『外資系トップの仕事力』シリーズなどがある。インタビューで書き上げるブックライター作品も80冊以上を数える。
第1章 リーダー改革―現場のために誰よりも、努力する
第2章 意識改革―やりたいことに徹底的に、こだわる
第3章 カルチャー改革―目に見えてわかる、変化をつくる
第4章 マーケティング改革―売り場を固めて一瞬で、伝える
第5章 制度改革―正しいことに挑む、仕組みをつくる
第6章 未来をつくる―地域とともに働く、生きる

要約ダイジェスト

世界に類を見ない 5000店舗のブランド転換

 成長の鈍化、店舗数の飽和、営業時間の問題、人手不足…。平成の時代に成長スピードを加速させていったコンビニエンスストアが、踊り場を迎えている。だが、こうした環境変化について、もう3年以上も前から警鐘を鳴らしていた人物がいる。ファミリーマート社長の澤田貴司だ。

 澤田は2016年9月に社長に就任したが、この直後のインタビューで、こうした問題についてすでに指摘していた。そして、そのための取り組みを着々と進めてきた。社長就任はサークルK・サンクスとのブランド統合のタイミングで、この統合で、ファミリーマートは業界2位の店舗数を誇るコンビニチェーンとなった。

 この統合をスムーズにやり遂げることが、まずは最大のミッションだったのだが、看板が変えられ、内装が変えられ、商品が変えられた店舗は実に 5003店にのぼる。これだけのスケールのブランド転換は、世界に類を見ない。

 これを澤田のリーダーシップのもと、予定を3カ月前倒しでやってのけることになる。一方で、並行して 3300もの店舗をクローズしている。ただ、ブランドを変えただけではない。この先のポテンシャルを感じられない店舗を、大胆に閉めていったのだ。

 澤田の改革はその後も続いている。売り場、商品、広告コミュニケーションが変わった。商品開発やマーケティングが変わった。店舗のオペレーションも変わっている。本部社員の意識も人事評価の仕組みも変わった。そして組織も大きく変わった。

 24時間営業が本当に必要なのか、という難しい問題では、加盟店による時短営業を「本部の同意なしにできる」という方針を打ち出した。実際にアンケートや時短実験を行い、

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