『食卓の経営塾 DEAN & DELUCA 心に響くビジネスの育て方』
(横川正紀/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 2020年4月、アメリカの人気高級食料品店ディーン&デルーカの経営破綻のニュースが日本でも報道された。ただし日本における同事業は著者が代表を務める株式会社ウェルカムが独立運営を行っているため影響がない。本書は、現在ストアとカフェを合わせて 50店舗超にまで成長した日本のディーン&デルーカ創業者が独自の経営論を説いた一冊だ。

 実は日本のディーン&デルーカは、商品企画やカフェ、ケータリング、オンラインショップなど、オリジナル事業を多数展開して独自の発展を遂げてきた。その結果、いまや本国以上の成功を収めているのだ。本書では、日本展開の歴史を振り返り、幾度も危機を乗り越えながらつかんだ成功のヒントや独自の発想法、組織づくりなどを解説する。

 著者はウェルカムグループ代表、武蔵野美術大学非常勤講師。大学で建築を学び、2000年に現在の株式会社ウェルカムを設立、ディーン&デルーカや CIBONEなどのライフスタイルブランドを多数展開する人物。ビジネスや組織づくりのヒントが詰まった一冊として、小売り・流通業に携わる方以外もぜひご一読いただきたい。

著者:横川 正紀(Yokokawa Masaki)
 ウェルカムグループ代表。1972年東京生まれ。京都精華大学美術学部建築学科卒業後、2000年に株式会社ジョージズファニチュア(2010年に株式会社ウェルカムへ社名変更)を設立、DEAN & DELUCAやCIBONEなど食とデザインの2つの軸で良質なライフスタイルを提案するブランドを多数展開。その経験を活かし、商業施設やホテルのプロデュース、官民を超えた街づくりや地域活性のコミュニティーづくりへと活動の幅を拡げている。
武蔵野美術大学非常勤講師。
はじめに
1 哲学を共有する──見るべきものは「根っこ」にある
2 ブランドの前に人がある──価値をつくるのは看板ではない
3 好きこそ仕事の上手なれ──興味の熱量がすべてを決める
4 大は小を兼ねない──「いい塩梅」を追求する
5 食卓の経営塾──感性を共鳴させる
おわりに
お礼の言葉

要約ダイジェスト

ソバとパスタ──デルーカさんの教え

 ディーン&デルーカが日本で独自の進化を遂げた鍵は、「危機」と「失敗」の連続にあった。ディーン&デルーカが海外に進出したのは日本が初めてで、マニュアルもガイドもないなか僕らがとった手段は、「ニューヨークの店を真似する」こと。しかし、これが失敗の始まりだった。

 丸の内に最初の店をオープンしたのが、日本で展開を始めた 2003年。その4か月後、渋谷の「東急東横のれん街」に2店舗目がオープンし、翌 2004年春、品川駅港南口に3店舗目をオープンさせた。

 中でも品川店は 120坪を超える店舗面積で、ニューヨークと同じようにまるごとの魚をクラッシュドアイスの上に並べ、野菜や果物はカゴいっぱいに盛りつけ、ブロックのまま吊るした牛肉など、鮮度と見せ方にこだわり、まさに市場のような売り場をつくった。

 しかし、経営はまさに火の車。たった3店舗で、当時 15店舗ほどあったインテリア事業の全利益を回しても追いつかないほどの赤字を出していた。

 突破口を求めて、創業者のひとりジョルジオ・デルーカさんに会いにニューヨークに行くと、デルーカさんから、「きみの店にはソバがあるのかい?」と、予期せぬ質問をされた。驚いて「なぜですか?」と尋ねると、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2020 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集