『成功する「準備」が整う世界最高の教室』
(ダイアン・タヴァナー/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 近年、企業環境が大きく変化するとともに、産業界に人材を供給する立場にある教育業界にも変革の波が押し寄せている。そんななか、生徒の「生きる力」を伸ばし、家庭環境にかかわらず 100%の大学進学実績を誇るユニークな学校「サミット・パブリック・スクール」が全米から注目を集めているという。

 同校では、プロジェクトベースの学びによって、自己主導性、省察、協力といったスキルを身に着ける。これは実社会で成功するためのスキルであり、充実した良き人生を送るための準備にもなる。本書では、同校設立者の一人である著者の設立奮闘記を通して、多くの科学的知見に裏付けられた同校の教育のメソッドを余すところなく解説する。

 著者は公立学校教師、学校経営者を経て、非営利組織「サミット・パブリック・スクール」の共同創業者兼 CEOとなった人物。同組織は現在では 15校のミドルスクール、ハイスクールを運営し、かのビル・ゲイツもその教育内容を称賛している。教育関係者はもちろん、親や上司として人を教え育てる立場にある人はぜひご一読いただきたい。

著者:ダイアン・タヴァナー(Diane Tavenner)
 非営利組織「サミット・パブリック・スクール」の共同創業者兼CEO。同組織はカリフォルニア州とワシントン州で15校のミドルスクール、ハイスクールを運営、従来型の教育とは大きく異なり、「実世界の体験」「自己主導性」「協力」「省察」など、大学や職場で成功するための「生きるスキル」を中心にした革新的なスクールモデルを構築。全米の話題をさらい、「最もやりがいのある高校」(ワシントン・ポスト紙)、「教育の分野で、世界で最も革新的な会社トップ10」(ビジネス誌「ファスト・カンパニー」)など、多くの賞賛や賞を受けている。
 著者は南カリフォルニア大学で心理学、社会学の学士号を取得、スタンフォード大学で修士号を取得。サミット創業前には10年間公立学校の教師、学校経営者をつとめたが、理想の教育を実現するため自ら学校をつくることを決意、ゼロから立ち上げて成功させる。カーネギー教育振興財団の理事会メンバーであり、ビル・ゲイツとカンファレンスに登壇するなど、サミットの継続的な発展をはかるとともに教育の向上に貢献している。

訳者:稲垣みどり(Inagaki Midori)
 翻訳者。上智大学文学部英文学科卒。主な訳書に、『世界最高の学級経営』(東洋館出版社)、『最強のポジティブチーム』(日経BP)、『BIG NINE 巨大ハイテク企業とAIが支配する人類の未来』(光文社)など。

プロローグ 「卒業」はもっと意味をもつべきだから
第1部 どうして準備をするのか
 第1章 昔ながらの「教育」はもう役に立たないから
 第2章 立派な志だけでは不十分だから
 第3章 解決できる問題だから
第2部 どう準備をするのか
 第4章 まず、「勉強は先生から教わるもの」という前提を変える
 第5章 一生役に立つ「自己主導性」を植えつける
 第6章 メンター制度で「振り返り力」を教える
 第7章 「競争力」ではなく「協力するスキル」を
第3部 生きる力をつけるツール
 第8章 うまくいく習慣が身につく「学びのブロック積み」
 第9章 知的好奇心を育てる「チュータリング・バー」
 第10章 どんな仕事でも「成功に共通するスキル」
 第11章 最高の将来へつながる「確実な進路」
エピローグ 閉ざされたドアがあれば、こじ開けて

要約ダイジェスト

「勉強は教わるもの」を根本から変えるプロジェクト・ベースの学び

 ほとんどの高校では、昔ながらの学びのアプローチをとっている。子どもたちは教科に関する情報を「産業革命」などの「単位」で学ぶ。単位は講義で成り立っていて、生徒はノートをとり、教科書を読み、最終的にはテストがある。それまでには小テストや宿題があり、生徒には暗記カードをつくって勉強することが求められる。

 だが、人生で成功するのに必要なスキルを子どもたちが身につけることをゴールにしているサミットでは、日々の学びも、実世界に焦点をあわせたものとなっている。ゴールを達成するのにもっとも成果を上げるのは、よくできた「プロジェクト」だ。

 プロジェクトは生徒本人、コミュニティー、人生にとって重要な問題、質問、あるいは困難から始まる。そしてその生徒が問題に直接働きかけるタスクを行うのだ。途中、生徒はフィードバックを受け、実行可能な方法を教わりながら前に進む。そして、質問に答え、あるいは困難に対処することで終わる。

 たとえば産業革命であれば、それは「製品の物語」を通じて学ぶプロジェクトになる。子どもたちはある製品について、発明されてから現在どう使われているかまでを調べる。その製品の辿ってきた道を理解することで、産業革命をより広く知ることができる。

 最終的に仕上がるのは質の高いプレゼンテーション、モデル、シミュレーション、ウェブサイト、キャンペーン、建築計画やビジネスだ。それらをつくれることは、実社会でそのまま役立つスキルでもある。

 研究によると、

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