『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』
(上村紀夫/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 リモートワークや ITツール活用、フレックス勤務など、近年では企業の働き方改革の流れのなかで、様々な人事施策が行われている。しかしメンタルヘルスや生産性の低下、離職の増加など、日本企業の組織課題が減る気配は一向になく、根本的な解決が必要だ。著者によれば、それらの課題に共通する原因が、社員の「マイナス感情」である。

 マイナス感情とは端的にいえば社員が持つ「不満や不公平感」のことで、それらが蓄積され、様々な「組織の病」の形をとって現れてくるということだ。本書では、働き方や仕事の意義の変化といったマイナス感情の原因、そしてその対策手法として、企業と社員とのギャップを埋め、組織を活性化するための「ターゲティング戦略」を詳しく解説。

 著者は医師でありながら MBAを取得し戦略コンサルティングファームに転身、現在は産業医・経営コンサルタントとして活躍する人物。1,000社以上の企業の組織課題に向き合ってきた知見と研究データに基づく科学的内容であり、経営者、人事担当者はもちろん、チームの活気や生産性向上を目指すリーダー・マネジャー層もぜひご一読いただきたい。

著者:上村紀夫(Uemura Norio)
 株式会社エリクシア代表取締役・医師・産業医・経営学修士(MBA)。1976年兵庫県生まれ。名古屋市立大学医学部卒業後、病院勤務を経て、2008年ロンドン大学ロンドンビジネススクールにてMBAを取得。戦略系コンサルティングファームを経て、2009年「医療・心理・経営の要素を用いた『ココロを扱うコンサルティングファーム』」として株式会社エリクシアを設立。
 これまで30000件以上の産業医面談で得られた従業員の声、年間1000以上の組織への従業員サーベイで得られる定量データ、コンサルティング先の経営者や人事担当者の支援・交流で得られた情報をもとに、「個人と組織のココロの見える化」に取り組む。心理的アプローチによる労使トラブル解決やメンタルヘルス対策の構築、離職対策のコンサルティング、研修、講演などを行う。
はじめに
序 章 なぜ、組織は「病んでいく」のか?
第1章 マイナス感情の感染メカニズム
第2章 マイナス感情の発症メカニズム
第3章 マイナス感情の伝染メカニズム
第4章 組織活性化のための「ターゲティング戦略」
第5章 組織活性化のための「正しいデータ活用法」
終 章 「社員を幸せに」する前にやるべきこと
特別収録 あなたの組織はどのタイプ? 組織活性4分類
おわりに

要約ダイジェスト

なぜ、組織は「病んでいく」のか?

 経営者や人事担当者と会話すると、以前はその中で「採用」「教育」「業務負荷軽減」というキーワードが多く使われていたが、この5年ほど「離職」「メンタル不調」「ぶら下がり」といったキーワードの登場頻度が急激に上がっている。

 特に「離職」はホットワードで、月に1回以上は、「また人が辞める」「特定の部署で離職が連鎖している」といった悩みを聞く。組織はどのように病んでいくのか。そのカギは「マイナス感情」にある。

 マイナス感情とはネガティブな感情を指し、「あきらめ」「落ち込み」「疲労」「妬み」「逃げ」といったあまり表に出ない感情もあれば、ちょっとしたことで爆発する感情もある。感情にはマイナス感情と対極の「プラス感情」もあるが、現実には、マイナス感情のほうが強烈であり、さまざまな影響を長期にわたって及ぼす。

 最もわかりやすい例は昇給や減給だ。昇給は大抵の場合しばらくするとその金額が「当たり前」に変わり、「嬉しい」というプラス感情が持続することはない。一方で、減給された場合には悔しさ、怒り、虚しさなどのマイナス感情が数か月経った後でもしっかりと残ってしまう。

 ノー残業デーや、リモートワーク、フレックス制の導入など、「働きやすさ」を実現するための施策の多くが一時的なプラス感情を生み出すが、その喜びは一時的であり、早い段階で「当たり前」に変わって、

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