『ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION』
(佐宗 邦威/著)

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 日本企業のイノベーション不足はよく指摘されるところだが、実は近年ではスタートアップ企業だけでなく、大企業の中からもイノベーションの萌芽が見え始めているという。そうしたイノベーション活動の起点となり、不可欠な原動力となるのが、自らの熱い想い=妄想であると著者はいう。

 そのうえで本書では、それを妄想に終わらせず、イノベーションの「実装」にいたるためのステップや秘訣を「創造と変革の 36の智慧」として解説。「人」「場」「意志」「創造」、そして既存組織の「革新」というエッセンスごとに分けられた実践的ノウハウは、今後あらゆる産業や地域で求められるイノベーションと変革を後押ししてくれるはずだ。

 著者はビジョンやブランドのデザインなど、企業の未来創造プロジェクトに携わる戦略デザインファーム「BIOTOPE」代表を務める人物。スタートアップ経営層はもちろん、企業内イノベーター(イントレプレナー)として活躍したい方や、旧態依然とした組織でモヤモヤとした思いを抱えている方は、ぜひご一読いただきたい。

著者:佐宗 邦威(Saso Kunitake)
 株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー。大学院大学至善館准教授。東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科(Master of Design Methods)修了。P&Gマーケティング部で「ファブリーズ」「レノア」などのヒット商品を担当後、「ジレット」のブランドマネージャーを務める。その後、ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立ち上げなどに携わる。ソニー退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業。企業のミッションやビジョンのデザイン、ブランドデザインなど、ビジョナリーの妄想を起点にした企業の存在意義の再構築による未来創造プロジェクト全般を得意としている。山本山、ぺんてる、NHKエデュケーショナル、クックパッド、NTTドコモ、東京急行電鉄、日本サッカー協会、ALEなど、バラエティ豊かな企業・組織のイノベーション支援を行っており、個人のビジョンを原動力にした創造の方法論にも詳しい。著書に『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(クロスメディアパブリッシング)、『直感と論理をつなぐ思考法――VISION DRIVEN』(ダイヤモンド社)がある。
プロローグ
創造と革新の36の智慧
第1章 創造の生態系を生むレシピ
第2章【人】辺境に眠る妄想家に仲間との出会いを
第3章【場】次のアタリマエを育てる土壌をつくる
第4章【意志】根のある生きた意義を発信せよ
第5章【創造】自分たちらしい創造の型をつくるべし
第6章【革新】機械型組織のツボを突き、新たなモデルを接木せよ
第7章 創造する組織
エピローグ

要約ダイジェスト

創造の生態系を生んでいくイノベーション

 企業において“イノベーション活動”は、ひとりの人間のモヤモヤした気持ちが、妄想へと発展し、その青写真を描くために構想を練ることから始まる。

 だが、旧態依然とした組織のイノベーション活動の多くはうまくいっていない。そのほとんどは、“誰のものでもない、分厚い企画書だけができあがる”“社内の前例や慣習とぶつかったときに足止めを食らう”といったパターンで滞ってしまう。

 これらの課題が起こってしまうのは、そのイノベーション活動に生命が吹き込まれていないからだ。イノベーションは、生き物の生態系を育てていくようなものである。妄想家の個人の強烈な想いを起点に、場をつくり、ビジョンを発信し、そこに新たな生態系を形成し、創造しながら社会に変化を起こしていくのだ。

 “ビジョン・ドリブン・イノベーション(創造の生態系を生んでいくイノベーション)”に不可欠なのは、「人」「場」「意志」「創造」という4つのエッセンスだ。これらのエッセンスにおける「創造の智慧」をいくつか紹介していこう。

【人】辺境に眠る妄想家に仲間との出会いを

妄想を引き出し、熱を吹き込む
 前例のない取り組みがうまくいくかどうかは、究極的にはその人がどの程度の熱量をもっているかだ。モヤモヤした人を着火させるために有効なのが、仲間の妄想を引き出し、ビジョンをぶつけ合い共有することだ。

 妄想は、黙っていると単なるモヤモヤだが、一度質問され、即興でも言葉として口に出すと、

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