『清華大生が見た 最先端社会、中国のリアル』
(夏目英男/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 今や世界第二位の GDPを誇り、AIなど最先端テクノロジー分野でも存在感を増す中国。それだけではなく、ECやモバイル決済、アプリによる配車サービスやシェアサイクル、フードデリバリーなどの普及でも大きく世界に先行している。本書はそんな中国の若者のリアルな「今」を、中国生活 19年目で自身も20代の著者が詳しく解説した一冊だ。

 「80後」「90後」「00後」と呼ばれる中国の若者世代(チャイナユース)の世代論や、アリババ、テンセントなどの中国巨大IT企業が先導するデジタル革命の最前線、中国の教育事情や「海亀」と呼ばれる海外留学経験者についてなど、主要メディアではなかなか知ることのできない現在進行形の情報がまとめられている。

 著者は中国で幼少期を過ごし、清華大学法学院および経済管理学院、同大学院公共管理学院(公共政策大学院)を卒業。日本の政府機関で日中をつなぐ事業に従事する傍ら、中国の若者トレンドやチャイナテックなどの記事を執筆する人物。対中国ビジネスに関わる方はもちろん、新規ビジネスへのヒントを得たい方はぜひご一読いただきたい。

著者:夏目 英男(Natsume Hideo)
 1995年7月20日生まれ。東京生まれ、北京育ち。2000年に両親の仕事の都合上、中国へと移住。当初はイギリス系のインターナショナルスクールに在学するも、中国の大学へ進学するため、2009年に中国現地の高校へと編入。2013年中国・清華大学に進学。2017年清華大学法学院及び経済管理学院(ダブルディグリー)を卒業後、同大学院公共管理学院(公共政策大学院)に進学。在学時には社会企業や NPOについて研究する傍ら、自身の経験や、「偏見のない目で社会を見る大切さ」という考えをもとに、清華大学の日本人修士生3名と共に日本の高校生を中国へ招待し、中国のテクノロジーや起業、政策などを学ぶ教育プロジェクト「Dot STATION」を企画・実施。2019年7月に卒業後、日本へ本帰国し、日本の政府機関にて日本と中国をつなぐ事業に従事する傍ら、中国の若者トレンドやチャイナテックについての記事を「日経クロストレンド」などのメディアにて多数執筆。
第1章 中国を変えるチャイナユース―80後、90後とは?
第2章 デジタル革命がもたらす中国社会の変化
第3章 世界最先端を走るアプリ大国のイマ
第4章 中国教育と海亀たち
第5章 ジャパンユースとチャイナユース

要約ダイジェスト

中国を変えるチャイナユース

 日本やアメリカでは、ジェネレーションX、Y、Zやミレニアル世代、バブル世代やゆとり世代など、その生まれた世代を指す言葉がある。中国でも同じく、「80後」(バーリンホウ、1980年代に生まれた世代)や「90後」(ジウリンホウ、1990年代に生まれた世代)など、世代を指す言葉が存在する。

「80後」に生まれた若者は、他の世代に比べて、多くの社会変化を経験している。1977年には、文化大革命により中断されていた中国版センター試験、通称「高考(ガオカオ)」が復活し、中国の高等教育が再開。1982年にはいわゆる一人っ子政策が打ち出され、「80後」以降は原則すべて一人っ子となった。

 「80後」はこのような時代背景の中、両親の愛を一身に受けて育ち、目覚ましい経済成長と共に成長してきたため、「苦労知らず」や「身勝手」「わがまま」などといったレッテルを貼られ、「最も利己的な世代」と評価された。

 だが近年、「80後」が30~40代になり、時代の主役となっていく中で、彼らに対するイメージに変化が起きている。実際彼らは初めて現代的な高等教育を受け育った世代でありながら、社会的競争率はとても高く、高学歴・低収入を強いられている。同時に不動産バブルや高齢化社会に直面し、夫婦で4人以上の家族を扶養しなければならない。

「90後」は波乱万丈の時代が一段落した後の世代であり、改革開放の恩恵を一番に受けている世代でもある。彼らは幼少期からデジタル製品の扱いに慣れており、どの世代よりもデジタルリテラシーが高い。この世代ではアリババやテンセントなどといった中国企業が設立され、アリペイ(Alipay)やウィーチャット(WeChat)などのサービスが瞬く間に世界を席巻した。

 また、「90後」には留学経験者がとくに多く、学問のみならず、

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