『エネルギーデジタル化の最前線 2020』
(江田健二/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 エネルギービジネスは今後、インフラ産業から情報・サービス産業へと発展する」と言われても、すぐに理解できる方は少ないかもしれない。だがこれが、半年以上かけてエネルギービジネスで先進的取り組みを行う企業へのインタビューを続けた著者の最終的な結論だ。その鍵となるのが、IoTやスマートメーターによるエネルギー利用データだ。

 本書では、電力消費、家電使用状況などのエネルギー利用情報が持つ大きな可能性を明らかにし、国内・海外勢が狙うビジネスチャンスについて解説する。すでにエネルギー利用情報を活用し事業を立ち上げている国内8社のインタビューも収録されており、専門的知識がなくとも読み進められ、新規事業への具体的なヒントが多数得られるはずだ。

 著者は、一般社団法人エネルギー情報センター(EIC)理事で、環境ビジネスおよびCSRコンサルティングを行うRAUL株式会社代表を務める江田健二氏。エネルギービジネスや情報ビジネスに関わる方はもちろん、デジタルテクノロジーや環境・社会課題解決、新たなビジネスチャンスに興味関心がある方はぜひご一読いただきたい。

著者:江田 健二(Eda Kenji)
 一般社団法人エネルギー情報センター理事。1977年、富山県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、アクセンチュアに入社。電力会社、大手化学メーカーなどを担当。アクセンチュアで経験したITコンサルティング、エネルギー業界の知識を活かし、2005年に RAUL株式会社を設立。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省地域再省蓄エネサービスイノベーション促進委員会委員などを歴任。主な書籍に『ブロックチェーン×エネルギービジネス』(第39回「エネルギーフォーラム賞」普及啓発賞)など多数。
第1章 「情報」をめぐる変化の波
第2章 エネルギー利用情報が持つ大きな可能性
第3章 先進企業8社の事例から学ぶエネルギー情報・サービス産業化
インタビュー1 エナジーゲートウェイ(東京電力グループ)
インタビュー2 ネコリコ(中部電力×IIJ)
インタビュー3 東京ガス
インタビュー4 大阪ガス
インタビュー5 KDDI
インタビュー6 エンコアードジャパン(ソフトバンクグループ)
インタビュー7 大和ハウス工業
インタビュー8 積水化学工業

要約ダイジェスト

「情報」をめぐる変化の波

 これまでは、私たち人間が中心となって情報を「デジタル化」してきたが、情報を集めてデジタル化する新たなプレイヤーは、人ではなく機械だ。例えば、家庭のリビングならば、デジタル化の入り口は、家庭にいくつものセンサーや IoT機器、カメラを設置することから始まる。集める情報は多種多様だ。例えば、部屋の中の気温や湿度、部屋の明るさ、話し声、テレビの声、画像、電化製品の利用状況などになる。

 集められた数値データや画像データは、インターネットを経由して、クラウドコンピューターに送られ蓄積されていく。大量の情報をクラウドコンピューターに素早く送り込むのは、現在の 100倍のスピードで通信ができる 5Gの技術だ。クラウドコンピューターに蓄積された情報は AIにより分析される。

 複数のテクノロジーがつながり合うことで、機械が私たちの生活の中の情報を収集し、蓄積・分析できる環境が生まれた。つまり、私たちを取り巻く「現実世界」の情報が、ことごとく「デジタル化」され、蓄積されていくのだ。

 インターネット上の情報収集に飽き足らず、GAFAは、「現実世界」からの情報収集に着手し始めている。その先導に立っているもののひとつが AIスピーカーで、既に世界中で 5,000万台が稼働している。

 GAFAが、こうして「現実世界」の情報を集めまくっていることを警戒して、EU(欧州連合)では、これまでのデータ保護指令から 2018年に一般データ保護規則(GDPR)を発行。個人データの保護強化と、個人が自らのデータを管理・利活用できる方向に法律を改正した。

 日本でも同様に、総務省が情報銀行という取り組みを始めた。個人が自分の情報を預けて、

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