『コンビニチェーン進化史 』
(梅澤 聡/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 徹底したドミナント戦略や PB(プライベートブランド)商品の開発、ATMの設置など、利便性を高めることで消費者に支持され、今や社会のインフラ的な役割をも期待されるコンビニチェーン。ところが 2019年、「24時間営業」をめぐる加盟店とチェーン本部の軋轢が明らかになり、成長の「飽和点」も囁かれ始めた。

 コンビニ業界は今後どうなっていくのか。本書では、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの三大チェーンをはじめ、全国各地の中小のチェーンを含めた日本のコンビニの発展の歴史を振り返り、その拡大を支えてきた巨大流通システム、コンビニ食などヒット商品の開発秘話も交えながら、未来のコンビニの進化の方向性に迫っている。

 一読すれば、身近な存在ながら実は「イノベーションの宝庫」であるコンビニの革新性と、これからの持続的な成長の可否が見えてくるはずだ。著者は、西武百貨店でロフト業態立ち上げに参画した後、「月刊コンビニ」「飲食店経営」の編集長を歴任した流通ジャーナリストの梅澤聡氏。

著者:梅澤 聡(Umezawa Satoshi)
 流通ジャーナリスト。1961年、北海道札幌市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後。西武百貨店に入社し、ロフト業態立上げに参画する。在職中「東京学生映画祭」の企画・立上げをする。1989年に商業界に入社すると、「販売革新」編集部へ。「月刊コンビニ」編集長、「飲食店経営」編集長、編集担当取締役を経て、フリーランスに。現在は両誌の編集委員を務める。
はじめに
第一章 「コンビニエンス・ストア」の夜明け
第二章 新興勢力参入による「コンビニ群雄割拠」
第三章 コンビニの屋台骨を支える「巨大流通システム」
第四章 需要を創造する「コンビニ食」
第五章 「インフラ化」するコンビニ
第六章 「ビッグ3競争時代」と「コンビニの未来」
おわりに

要約ダイジェスト

需要を逃さない「商品管理システム」の進化

 2018時点で、全コンビニの年間売上が 12兆円に近づく中、百貨店は6兆円と半分程度。さらにスーパーマーケットの 13兆円をとらえ、小売業の主役に躍り出ようとしている。では、なぜコンビニが百貨店を抜いて、今やスーパーマーケットに迫る勢力にまで成長できたのか。

 それは、店舗支える、製造、物流、情報の巨大なシステムが存在するからに他ならない。各々の店舗は、規模も人員も最小、最少である一方、小さな商圏に全国6万店近く。大手コンビニを中心に、製造から販売にいたる協業体制と、情報システムの構築を推進してきた。

 情報システムと製配販の協業体制に関しては、草創期から 2000年代までセブン-イレブンが先行している。1978年8月、セブン-イレブンは、商品発注台帳に刷り込んだ「商品バーコード」と「数量バーコード」を、店舗の発注担当者がペンリーダーでスキャンして、本部へ送信するシステムを導入。

 このような発注のオンライン化により、手作業が軽減され、入力ミスも減少、発注から納品までの大幅な時間短縮が可能となった。1982年10月からは POSシステムの導入を開始し、83年2月に全店に配置した。

 POSシステムの導入により、単品の販売個数のみならず、売れた時間帯や在庫欠品、廃棄数量、客層の属性(従業員が、客の年齢と性差を判断して登録)などが、個店ごとに把握できるようになった。

 加盟店は、情報システムを活用して、仮説、発注、販売、検証のサイクルを回し、売上と利益の向上を図り、同時に適正人時による店舗オペレーションに専念した。こうした情報システムは、

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