『影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく』
(ロバート・B・チャルディーニ/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 全米ベストセラーとして日本でも 20年以上読み継がれ、多くの心理学やセールス本の底本ともなっている名著『Influence The Psychology of Persuasion』(影響力の武器)の新訳版。心理学者であり、マーケティングの専門家でもある著者が、人の決断や行動に影響力を与える要素を、心理学の6つの原理である「恩義」「整合性」「社会的証拠」「好意」「権威」「希少性」に分類。説得のプロたちがどのようにこれらを利用し、人々から「イエス」を引き出しているのかを説く。セールスマンや募金勧誘者などの世界に 3年にわたって潜入したという著者の体験談や実証実験から導き出された普遍的な法則は、営業やセールスに携わる方以外にも必読の内容である。
著者:ロバート・B・チャルディーニ(Robert B.Cialdini Ph.D)
 アリゾナ州立大学において、W・P・キャリー・スクール・オブ・ビジネスのマーケティング学教授ならびに評議会招聘の心理学教授という2つの地位を有し大学院の研究教授にも任じられた、米国を代表する社会心理学者。本書は、35年におよぶ実証ベースの正確な調査と、人の行動を変える要因についての3年間の研究が結実した良書として米国で非常に高い評価を受けている。

翻訳:岩田 佳代子訳(イワタ カヨコ)
清泉女子大学卒業。主な訳書に『お嬢様はヴァンパイア』『贋作と共に去りぬ』『企業GAME』『グレン・グールド シークレット・ライフ』など。

1章:影響を与える
2章:恩義 ―ゆずりあいに潜むワナ
3章:整合性 ―心の中の邪鬼
4章:社会的な証明 ―わたしたちの真実
5章:好意 ―人なつっこい泥棒
6章:権威 ―誘導される意志
7章:希少性 ―少数派のルール

要約ダイジェスト

影響を与える

 これまでの人生、わたしはひたすらいいカモだった。あの手この手で攻めてくる販売業者や資金集めの担当者、詐欺師などの格好の標的だったのである。そうやって長年カモにされ続けてきたがために、人を意のままにコントロールする、という研究に興味を抱いたのかもしれない。

 そこで、社会心理学者であるわたしは、人が「イエス」と言うときの心理状態について研究をはじめた。わたしが知りたかったのは、どんな心理学的なルールが、「イエス」と言わせるのか、である。本書ではそれを、相手に影響を与えるルールと見なして、特に重要なものについて解説していきたい。

 動物行動学者によると、七面鳥の母親はヒナを鳴き声だけで識別するそうだ。ヒナが鳴けば面倒を見るが、

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