- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書では上記キートレンドに加え、国内外の政治経済・産業・経営・社会・文化など8つのカテゴリーから、新興国経済、ブレグジット、対中ビジネス、再生医療、ロボティクス、企業のデジタル戦略、オーバーツーリズムなど、82のキーワードを網羅的に解説。わかりやすい図表も加えて、今知るべきトレンドの現状と課題、展望をコンパクトにまとめている。
編者は三菱UFJフィナンシャル・グループのシンクタンク・コンサルティングファームである三菱 UFJリサーチ&コンサルティングで、各テーマは各分野の専門家による執筆となっている。2020年代のスタートである 2020年を取り巻くビジネス環境の全体観、航海図を手に入れたい方はぜひご一読いただきたい。
三菱 UFJフィナンシャル・グループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、東京、名古屋、大阪の3大都市を拠点に、コンサルティング、グローバル経営サポート、政策研究・提言、マクロ経済調査、セミナーを通じた人材育成支援等、多様なサービスを展開。顧客が直面している課題に対し、ベスト・ソリューションを提供するとともに、次世代の新しい社会を拓く提言・提案を積極的に実施。インフルエンシャルなシンクタンクとして高い評価を得ている。
第1部 米中冷戦下で求められる日本の戦略
第2部 2020年のキートレンドを読む
第3部 2020年を理解するためのキーワード
第1章 国際社会・海外ビジネスはこうなる
第2章 産業はこうなる
第3章 企業経営はこうなる
第4章 働く場はこうなる
第5章 社会・文化はこうなる
第6章 少子化・高齢化はこうなる
第7章 地域はこうなる
第8章 地球環境・エネルギーはこうなる
要約ダイジェスト
新興国経済―堅調なアジア、低調な非アジア
新興国経済は、2010年以降、伸びが鈍化しつつも緩やかに拡大を続けてきたが、成長率は地域によって二極分化している。
アジア新興国では、中国経済は、2桁台の高い成長率からは鈍化したが、まだ底堅さを維持。米中貿易摩擦による輸出の失速が懸念されているものの、減税などの景気対策が実施されることなどから、直ちに景気後退に陥るとは考えにくい。インドは、経済構造が内需型であるため、外部環境の変動による影響を受けにくく、足元の経済成長率は中国を上回るほど高い。
また、インドネシアは労働力人口の増加と賃金上昇の恩恵を受けて個人消費主導の経済成長を続けている。ベトナムについては、米中貿易摩擦の影響で外資企業が中国以外の国に輸出拠点を設ける「チャイナプラスワン」の動きを加速、経済成長を後押ししている。こうした状況は 20年も続くだろう。
一方、非アジア新興国の経済は、10年代は低迷状態に陥っている。ロシア経済は、主力輸出品である原油の価格下落に加えて、ウクライナ問題に絡む米国や EUからの経済制裁で、低成長が長期化する様相を示している。他方、南アフリカも、最大の輸出品目プラチナの価格下落に加え、経済運営の失策に起因する電力不足にも悩まされ、10年代の景気鈍化が続いた。
家計債務膨張で個人消費の伸びが期待しにくいこともあり、20年も大幅な景気回復は見込めないだろう。こうしたことから、非アジア新興国の経済は、20年も低調に推移することが予想される。
身体拡張―ポストスマホ時代の技術革新
昨今の AI、IoTといった技術革新は、主に通信・インターネット技術により支えられてきたが、