『プラットフォーマー 勝者の法則』
(ロール・クレア・レイエほか/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)をはじめ、Airbnb、Uberなど、近年急成長を遂げた企業に共通するのが、プラットフォームビジネスを手掛ける「プラットフォーマー」である点だ。本書はプラットフォームビジネスの教科書として、彼らがいかにして現在の地位を築いたのか、その理論から実務までを体系的に解説した待望の一冊だ。

 具体的には、プラットフォームビジネスを設計、点火、上昇、安定させるためのフレームワーク「ロケットモデル」を軸に、各ステージでの戦略や KPI、諸課題を詳述。さらにはプラットフォームビジネスの弱み、応戦する既存企業側の対応戦略や規制の在り方についても解説されており、一読すれば業種や規模を問わず多くの示唆が得られるはずだ。

 著者はプラットフォームビジネスのプロとして、コミュニティやプラットフォームの立ち上げや拡大支援を行うローンチワークス社の共同設立者2名で、日本語版には早稲田大学ビジネススクール教授 根来龍之氏による日本の事例解説も付記されている。伝統的企業とスタートアップ、どちらの立場にあるビジネスパーソンにもぜひご一読いただきたい。

著者:ブノワ・レイエ(Benoit Reillier)
 ローンチワークスの共同設立者、マネージング・ディレクター。コミュニティやプラットフォーム・エコシステムを駆動させるためのビジネス設計、戦略実行の支援を専門とし、数多くの著名企業、規制当局や政府にアドバイスを行う。1990年代の通信自由化にかかわるフランス政府の仕事をはじめ、LECG(現FTI)やテリア・モバイル・インターナショナル、KPMGを経て、ローンチワークスを設立。ヨーロッパを代表するビジネススクールESCP Europeの講師も務める。フランスの国立電気通信研究所(現Telecoms & Management SudParis)でマネジメント・サイエンスの修士号を、ロンドン大学キングスカレッジで経済学と競争法の修士号を、ロンドンビジネススクールとニューヨークのコロンビア大学でMBAを取得。

ロール・クレア・レイエ(Laure Claire Reillier)
ローンチワークスの共同設立者、ディレクター。プラットフォームの立ち上げや拡大の支援を専門とし、ECや通信、ソフトウエア会社のマーケティングや製品・サービス開発に深い知識と経験を持つ。後にIBMに買収されたスタートアップのMetricaやWatchMark、ブリティッシュテレコムグループのBT Retail、VoIPソフトウエアのスタートアップGoodman Blue、イーベイを経て、ローンチワークスを設立。ESCP Europeの講師や修士号審査委員も務める。テレコム工科大学パリ校でコンピュータ・サイエンスと通信の修士号を、ロンドンビジネススクールでMBAを取得。

監訳:根来龍之(Negoro Tatsuyuki)
早稲田大学ビジネススクール教授。京都大学文学部卒業(哲学科)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。鉄鋼メーカー、英ハル大学客員研究員、文教大学などを経て2001年より現職。早稲田大学IT戦略研究所所長、早稲田大学大学院経営管理研究科長、経営情報学会会長、国際CIO学会副会長、CRM協議会副理事長などを歴任。著訳書に『ビジネス思考実験』『事業創造のロジック』『プラットフォームの教科書』(いずれも日経BP社)、『代替品の戦略』(東洋経済新報社)、『対デジタル・ディスラプター戦略』(監訳、日本経済新聞出版社)など。

翻訳:門脇 弘典(Kadowaki Hironori)
翻訳家。東京外国語大学外国語学部卒。訳書に『Hacking Growth グロースハック完全読本』『シェアリング・エコノミー』『ギグ・エコノミー』(いずれも日経BP社)、『SALES GROWTH』(TAC出版)など。

第Ⅰ部 プラットフォーム
 第1章 新たなビジネスモデルの登場
 第2章 急成長するプラットフォーマー
 第3章 ビジネスのルールはどう書き換えられたか
 第4章 プラットフォームを支える経済原理
 第5章 ビジネスモデルとしてのプラットフォーム
 第6章 アマゾン、アップル、グーグルが強化するエコシステム
第Ⅱ部 ロケットモデル
 第7章 設計──事業構造をデザインする
 第8章 点火──コンセプトを実証する
 第9章 上昇──クリティカルマスを突破する
 第10章 安定──利益ある成長を続ける
第Ⅲ部 戦略と課題
 第11章 相互作用を促す価格戦略
 第12章 信頼を醸成する仕組みをつくる
 第13章 規制と競争はどうあるべきか
 第14章 既存企業の対抗策
 第15章 プラットフォームの未来

要約ダイジェスト

台頭するプラットフォームビジネス

 エアビーアンドビーは、プラットフォームビジネスの台頭を体現している。同社はホストとゲストのコミュニティを形成してグローバルな取引を可能にしたが、伝統的企業と異なり、「生産」も「販売」もしていない。異なる顧客グループをつないで取引を可能にしただけだ。

 私たちが提唱するプラットフォームの定義は、「2つ以上の顧客グループを誘致し、仲介し、結びつけ、お互いに取引できるようにすることで大きな価値を生み出している企業」というものだ。例えば、イーベイやエアビーアンドビー、ウーバーなどがこれに当たる。

 ここ 20年ほどのうちに数々のプラットフォーム企業が空前の速さで成長し、多くの伝統的企業を追い越している。デジタル化という大きなトレンドばかりが注目されがちだが、いま起きているのはビジネスモデルと価値創造の大転換だ。

 プラットフォームを立ち上げるために必要な手間と労力は、ロケットの打ち上げにも匹敵する。両サイド(あるいはそれ以上)の市場に人を集め、それぞれに拡大策とマーケティングを実施する必要がある。言ってみれば、2つの会社を同時に起業するようなものである。

ビジネスモデルとしてのプラットフォーム

 これまでの枠組みではプラットフォームを説明しきれないと感じた私たちが開発したのが「ロケットモデル」だ。ロケットモデルは、プラットフォームビジネスの俯瞰的かつ機能的なモデルで、プラットフォームの典型的な要件を次の5つで説明する。

1.クリティカルマスの顧客を両サイドに誘致する
 誘致する機能では、プラットフォーム立ち上げ直後は新たな参加者(生産者や利用者)の獲得が中心となるが、成熟するにつれて参加者を維持することが重要となる。

 生産者と利用者が何に引きつけられるかと言えば、究極的にはそのプラットフォームで互いに取引する機会を得られるかどうかだ。うまくいけばネットワーク効果(利用者が増えるにつれて製品やサービスの価値も高まる効果)が働くため、

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