『DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる』
(マイケル・ウェイドほか/著)

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 ビジネスの世界に「ディスラプション(創造的破壊)」という言葉が浸透して久しい。近年ではディスラプターたちが、主にデジタル技術を用いてビジネスモデルやバリューチェーンを破壊し、既存企業の対応策として戦略と組織を変革する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」が急務とされている。

 しかし DXを取り巻く環境の変化は早く、未だ情報が錯綜している分野でもある。本書はDXの本格的な教科書として、多数の事例を踏まえて具体的な変革手順を解説した、まさに今必要とされている一冊だ。企業活動をオーケストラに喩え、企業にある様々なリソースを活用して全社をデジタルシフトする手法をわかりやすく説いている。

 著者はスイスの名門ビジネススクール IMD教授で DXの最先端研究拠点であるDBTセンター所長のマイケル・ウェイド氏ら4名。日本語版では早稲田大学ビジネススクール教授の根来龍之氏による日本企業における DXの解説も付されている。経営幹部や IT部署、新規事業担当の方々にはぜひご一読いただきたい。

著者:マイケル・ウェイド(Michael Wade)
 IMD教授。DBTセンター所長。エグゼクティブ向けプログラム「リーディング・デジタルビジネス・トランスフォーメーション」などのディレクションをおこなう他、クレディ・スイスやボーダフォン、マースク、ガスプロム、PSAプジョーシトロエン、カルティエなどにカスタマイズした独自プログラムを、IBMやLVMH、ネスレ、グーグル、ノバルティスなどにコンサルティングやエグゼクティブ教育を提供。2016-17年にはスイスの新聞社からデジタルのソートリーダーと評される。カナダのウェスタンオンタリオ大学リチャードアイビー・スクール・オブ・ビジネスで学位、MBA、博士号を取得。スイス在住。

著者:ジェイムズ・マコーレー(James Macaulay)
 シスコ、デジタイゼーションオフィスのシニアディレクター。DBTセンター客員研究員。20 年以上にわたるハイテク業界での経験をもとに、デジタルマーケットの変遷とそれが組織に及ぼす影響を見定めている。世界中の企業と協働し、DXに向けたロードマップを設計。ハイテク市場のリサーチや戦略に特化したコンサルタント会社の起業を経てシスコに。ダルハウジー大学で政治学の学位を、トロント大学で政治学の修士号を取得。カナダ、ブリティッシュコロンビア州在住。

著者:アンディ・ノロニャ(Andy Noronha)
 シスコ、オフィス・オブ・インクルージョン・アンド・コラボレーションのディレクター。DBTセンター客員研究員。デジタル・ディスラプションの時代に競争力を維持したいと考えているエグゼクティブらと協働。彼らをデジタル化の未来へ導くために日々研究し、洞察を深めている。ガートナーのアナリスト、テクノロジーベンダーのためのコンサルティング会社の共同設立を経てシスコに。カリフォルニア大学バークレー校で生物工学の学位を取得。南カリフォルニア在住。

著者:ジョエル・バービア(Joel Barbier)
 シスコ、デジタイゼーションオフィスのディレクター。DBTセンター客員研究員。デジタル・ソートリーダーシップ・チームに加わるまえは、グローバル企業向けビジネス戦略やテクノロジー戦略を考案、デジタル経済における価値機会の定量化に貢献してきた。フランスガス公社のアナリスト、ロレアル子会社メイベリンの監査役を経てシスコに。ドイツのケルン大学でファイナンスのMBAを、パリのHECグラジュエイト・スクール・オブ・マネジメントで科学修士の学位を取得。カリフォルニア州パロ・アルト在住。

翻訳・解説:根来龍之(Negoro Tatsuyuki)
 早稲田大学ビジネススクール教授。京都大学文学部卒業(哲学科)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。鉄鋼メーカー、英ハル大学客員研究員、文教大学などを経て2001年より現職。早稲田大学IT戦略研究所所長、早稲田大学大学院経営管理研究科長、経営情報学会会長、国際CIO学会副会長、CRM協議会副理事長などを歴任。著訳書に『集中講義 デジタル戦略』『ビジネス思考実験』『事業創造のロジック』『プラットフォームの教科書』(いずれも日経BP社)、『代替品の戦略』(東洋経済新報社)、『対デジタル・ディスラプター戦略』『プラットフォーマー 勝者の法則』(いずれも監訳、日本経済新聞出版社)など。

翻訳:武藤陽生(Muto Yosei)
 翻訳家。早稲田大学法学部卒業。英米文学、ノンフィクション、ゲーム翻訳などを手がける。訳書に『対デジタル・ディスラプター戦略』(日本経済新聞出版社)、『暴露:スノーデンが私に託したファイル』(共訳、新潮社)、『スーパーベターになろう! 』(共訳、早川書房)、『戦力「内」通告』(ハーパーコリンズ・ジャパン)など。

翻訳:デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)
 特定非営利活動法人CeFILが2016年5月に設立した国内大手企業が参加するイノベーション開発拠点。製造業やサービス業、金融業、IT企業など30数社が参加。IMDやデンマークデザインセンターなどと連携して開発した研修をはじめ、シンガポールから専門家を招いたデザインシンキング・ワークショップなど、各種の経営層向け、戦略スタッフ育成プログラムを実施。人財育成のみならず、ソシアルイノベーション・バイ・デザインのエコシステム構築を推進している。www.dbicjp/

序 章 なぜいま DXなのか
第1章 既存企業が抱える「変革のジレンマ」
第2章 戦略的な方向性を定める——変革目標とは何か
第3章 「変革目標」を打ち立てる
第4章 リソースをかき集め、協働させる——トランスフォーメーション・オーケストラ
第5章 オーケストレーションを機能させる8つの能力
第6章 オーケストレーションを推進する組織づくり
終 章 企業がとるべき21のアクション

要約ダイジェスト

なぜいま DXなのか

 「デジタル・ディスラプション(デジタルによる創造的破壊)」の第1波で最も大きな打撃をこうむったのは、メディアやエンターテイメント、金融サービス、通信、ハイテクなど、主力製品やサービスが容易にデジタル化される業界だった。

 いま、ディスラプションの第2波が私たちを呑み込もうとしている。この波は、ビジネスモデルやプロセス、バリューチェーンまでをもデジタル化しようとしており、その結果、B2B(企業間取引)分野にまで影響がおよんでいる。

 今日、デジタルビジネス・トランスフォーメーション(DX)の実行は急務だ。私たちは、DXを「デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること」と定義する。

 だが、変革に向けた努力の多くは、「ゴール」が明確でないため、はじまるまえから失敗する定めにある。誰もが「変革」を自分なりに定義し、どうすれば自分好みの結果になるかを好き勝手に決めているのだ。

戦略的な方向性(変革目標)を定める

 私たちは、「カスタマーバリュー創出」「ビジネスモデル」「対応戦略」という3つの要素をすべて合わせたものを「変革目標」と呼ぶ。変革目標とは、明確に述べられた一連の目標のことで、

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