『Mobility 3.0―ディスラプターは誰だ?』
(アクセンチュア戦略コンサルティング本部モビリティチーム/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 近年、自動車産業において大変革のキーワードとなっているのが、「コネクテッド(C)」「自動運転(A)」「シェア/サービス(S)」「電動(E)」という4つの変化を表す「CASE」だ。それに伴い、IT大手やテクノロジースタートアップの参入が世界的に相次いでいるが、この CASEの影響は自動車産業にとどまらない。

 人やモノ、エネルギーはもちろん、AI、通信、金融、スマートシティなど周辺産業を巻き込む「移動(モビリティ)」全体がリアルとデジタルの両方で再編されようとしているのだ。本書では、この動きに国内外のトヨタをはじめとする伝統的自動車メーカー、グーグル、ソフトバンクなど IT大手がどう対応しようとしているのかに迫る。

 著者はテクノロジー領域に強みを持つ世界的コンサルティングファーム アクセンチュアの戦略コンサルティング本部モビリティチーム。本書では多数の図解を用いて技術、市場、企業動向が丁寧に分析・予測されている。モビリティ市場はグローバルで 550兆円とも言われ、あらゆる産業に影響を及ぼす。業種を問わずぜひご一読いただきたい。

著者:アクセンチュア戦略コンサルティング本部モビリティチーム
川原 英司
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター。東京大学卒業後、日産自動車、三菱総合研究所、A.T. カーニーを経て、アクセンチュア参画。自動車関連を中心に経営コンサルティングを数多く手掛ける。経済産業省、国土交通省、NEDOなどで各種委員を歴任。青山ビジネススクール非常勤講師(経営戦略論)、神戸大学経営学部非常勤講師なども務める。主な著書に「自動車産業 次世代を勝ち抜く経営」(日経BP、2011年)、「電気自動車が革新する企業戦略」(共著、日経BP、2009年)、「情報革命と自動車流通イノベーション」(共著、文眞堂、2000年)等。

北村 昌英
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター。関西学院大学卒業後、ソフトバンクを経て、アクセンチュア参画。通信・自動車関連企業を中心に、事業戦略、デジタル活用戦略(AI、IoT等)、M&A、グローバル戦略等に多数従事。戦略策定だけではなく、事業の早期立ち上げに向けたPoC(実証実験)、パートナリング構築支援も実施。2014年より2年間、早稲田大学大学院非常勤講師(コンサルティング実務)。

矢野 裕真
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 マネジング・ディレクター。青山学院大学卒業後、日系コンサルティング会社、プライベートエクイティ投資会社を経てアクセンチュア参画。Harvard Business School Executive Program修了(アルムナイメンバー)。自動車業界をはじめとする製造業を中心にデジタルテクノロジーを活用した事業開発や競争戦略から始まり、グローバル各国展開やM&A、実装に向けた実務支援まで企業価値向上に向けた豊富な支援経験を有する。

伊藤 剛
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクター。2000年東京大学法学部卒業後、大手シンクタンクを経て、2012年よりアクセンチュア参画。公益事業学会政策研究会メンバー。主に素材・エネルギー領域を中心に、制度設計、企業・事業戦略、組織設計、マーケティング・営業戦略、新規事業立案等に従事。主な著書に、『進化する電力システム』(東洋経済新報社)、『まるわかり電力システム改革キーワード360 』(日本電気協会新聞部)、『エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ』(日本経済新聞出版社)がある。

榮永 高宏
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクター。慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア参画。金融・金融参入企業を中心に、中期経営計画、金融参入戦略、デジタル活用戦略(Blockchain、IoT等)、事業戦略、M&A、マーケティング戦略等に多数従事。

藤野 良
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部シニア・マネジャー。東京大学卒業後、アクセンチュアへ入社。エネルギー関連企業を中心に、事業戦略、新規事業創造、デジタル活用戦略(AI、IoT等)等の戦略立案に留まらず、オペレーティングモデル設計・戦略実行フェーズまで、多数従事。

佐藤 有
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部 シニア・マネジャー。横浜国立大学卒業後、図研にて設計ソリューション事業の海外展開リーダー(ドイツ赴任)、A.T. カーニーを経て、アクセンチュア参画。自動車メーカー/自動車部品メーカー、および周辺のハイテク・通信業界においてモビリティサービス、コネクテッド・IoT・5G等を含む戦略策定、M&A戦略・PMI、協業による新規事業構想、等を中心とした戦略コンサルティングに従事。

中村 朝香
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部マネジャー。慶應義塾大学卒業後、アクセンチュアへ入社。金融・金融参入企業を中心に、各種事業戦略、金融参入戦略、M&A、デジタルマーケティング戦略、デジタル活用戦略(Blockchain、IoT等)等に従事。

吉井 勇人
 アクセンチュア 戦略コンサルティング本部マネジャー。京都大学卒業後、アクセンチュアへ入社。金融・金融参入企業を中心に、各種事業戦略、金融参入戦略、M&A、マーケティング戦略、先端テクノロジー活用戦略(Blockchain、AI等)等に従事。

序 章 モビリティ 3.0の世界で、人々の移動はどう変わるか?
第1章 CASEがすべてを変える
第2章 CASEからどのようなビジネスが生まれるのか?
第3章 CASEによって新たに生まれる事業機会
第4章 グーグルの戦い方
第5章 ソフトバンクの戦い方
第6章 CASE時代における自動車メーカーのモビリティ戦略
第7章 モビリティ 3.0の世界を創造する

要約ダイジェスト

モビリティ 3.0の世界

 インターネットが世界を覆い尽くして約20年。デジタル化の波は自動車業界をも震憾させ、“移動”そのものを変えようとしている。「クルマは買って所有するもの」「クルマは運転するもの」「クルマはエンジンで走るもの」という従来の概念を壊し、“モビリティ”という新たな世界観の中に組み込まれようとしている。

 ヒト・モノ・カネ・情報という企業の根源資源がクルマをはじめとするモビリティに集約され、リアルな空間とデジタルな空間が有機的につながろうとしている。その先にあるのは、従来の人と人、企業と企業、機械と機械だけでなく、人と機械などあらゆるものがつながり、さまざまに組み合わさることによって大量かつ多種なコミュニケーションに溢れた世界だ。

 だが、その世界が実現する過程では、産業革命のときと同様、革命の波に乗れず衰退していく産業、産業自体は生き残れたものの新たな手法に移行できずに淘汰される企業が出てくるはずだ。その一方で、大きな機会を手にする企業も登場する。

 生まれ変わるモビリティの世界で覇者となるのは、製造業の頂点に君臨する自動車メーカーか、情報力で他社を圧倒するグーグルか、それとも資金力で世界を手に入れようとするソフトバンクか。生き残りをかけた戦いはすでに始まっている。

グーグルの戦い方

 わずか二十数年でグローバルな巨大グループに急成長した米 AIphabet(アルファベット)。その中核企業グーグルの基本的なビジネスモデルは、データベースを活用した精度の高い検索サービスの提供と、広告掲載による収益の確保だ。その圧倒的なシェアがネットワーク外部性(利用者が増えるほど利便性が増加して利用者も増えるという相互作用)を生み、莫大な利益を生み出している。

 今、この戦い方に変化が起きている。その理由の1つは、

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