『フューチャー・プレゼンス―仮想現実の未来がとり戻す「つながり」と「親密さ」 』
(ピーター・ルービン/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 ヴァーチャル・リアリティ(以下 VR)と言えば、ゲームや映画といったエンターテインメント系コンテンツを思い浮かべる方が多いかもしれない。だが実は、識者に言わせれば、あらゆる産業に AI以上の影響を与える破壊的なテクノロジーであり、だからこそ、現在 GAFAをはじめ世界の錚々たる企業がVR技術やスタートアップに投資しているのだ。

 本書では VRの歴史と、ゲーム・映画といったメディア産業、医療、瞑想、サービス業、ポルノ産業など、あらゆる業種や体験が激変する未来の姿を描き、VRの本質であるプレゼンス(実体感)に迫る。そこから見えてくるのは、仮想現実としての体験ではなく、現実世界の人間との関係性や記憶、社会生活すら変えていくであろう VRの大きな可能性だ。

 AIやVRといったテクノロジーが、監視社会や退廃的な未来をもたらすと考える方もぜひご一読いただきたい。そのポジティブな側面にも目を向けざるを得ないと感じるはずだ。著者は VR業界の最先端を知りつくす、US版 WIRED誌シニアエディター。日本語版には、日本版 WIRED編集長 松島倫明氏による解説も収録されている。

著者:ピーター・ルービン(Peter Rubin)
 WIREDの雑誌・オンライン版シニアエディターとしてカルチャーからデジタルプラットフォームまで幅広いトピックを担当。2014年フェイスブック社に買収されたオキュラスの特集を筆頭に、VR業界について様々な記事を執筆し、テック系のメディアでパネラーとして活躍。ニューヨーク・タイムズ、GQ、ローリングストーンズといった数多くの媒体にも寄稿している。

訳者:高崎 拓哉(Takasaki Takuya)
 翻訳家。主な訳書にビショップ『あなたはあなたが使っている言葉でできている Unfu*k Yourself』(ディスカバー・トゥエンティワン)、モービル『UX・情報設計から学ぶ計画づくりの道しるべ』(ピー・エヌ・エヌ新社)、リチャーズ『さまよう民主主義 アウトサイダーの台頭は政党政治の終焉なのか』(ハーパーコリンズ・ジャパン)など。

はじめに
第1章 プレゼンス
第2章 脳内セラピー
第3章 ハリネズミのジレンマ
第4章 VRがもたらす親密さ
第5章 ソーシャルVRの台頭
第6章 新たなプラットフォーム
第7章 VRで育む友情
第8章 リアルな手ざわりへ
第9章 ポルノ改革プログラム
第10章 ぼくらの行く先
おわりに
日本語版解説

要約ダイジェスト

ヴァーチャル・リアリティへようこそ

 ヴァーチャル・リァリティ(VR)体験は、夢や記憶と同じで説明が難しい。ヘッドセットをつけて見えたものや聞こえたもの、たとえば木漏れ日の森や打ち寄せる波の音は、どう言葉で表現しようと、聞き手が自分で体験して、はじめて実感が持てる。

 新しい形態のメディアが登場するたび、社会は大きく変動する。ただ、VRは単に新しいかたちのメディアではなく、これまでのメディアの壁を完全に取り払うものだ。世界有数の大企業の数々が、商品化の見込みが立つずっと前から、何十億ドルという資金をVRに投じているのは、VRがあらゆる産業を成長させる可能性を秘めているからなのだ。

 エンターテインメン卜産業なら、銀幕の中に入って登場人物と同じ場所に立ち、キャラクターが自分の存在に反応するようになる。教育なら、美術科の学生が教室にいながらにしてルーヴル美術館を訪問できるようになる。

 家を探している人は遠くの物件を手軽に内覧できるようになる。自動車メーカーのアウディはすでにショールームに VRを導入していて、お客は運転席の座り心地からエンジン内部の仕組みまで、あらゆるモデルのあらゆる仕様をVRで確認できる。

 2年ほど前、マイアミの小児科医が、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2018 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集