- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、多くのシニアに現場で接してきた著者が、シニア市場のマクロな分析だけでなく、シニアの身体的、心理的特性までを詳細に解説。シニア向け商品・サービス開発から集客、販促、店舗づくりやコミュニケーション、さらにはシニアによるクレームへの対処法まで、実践的なノウハウを公開している。
著者は、自らもソーシャルワーカーとして10年以上の勤務経験があり、現在は介護事業所運営および独自のシニアに売れる仕組みづくりのコンサルティングを行う人物。シニア向けビジネスの検討・改善に役立つのはもちろん、身近な人の介護や自身の老後などについても考えさせられる有益な一冊だ。
シニアビジネス・コンサルタント。株式会社 介祉塾(かいしじゅく)代表取締役。中小企業診断士・社会保険労務士・行政書士・社会福祉士。新潟大学を卒業後、海外放浪やボランティアなどを経て2007年に介護事業所を創業。自らもソーシャルワーカーとして10年以上の勤務経験がある。
現在は、介護福祉業とシニアビジネスに特化したコンサルティングも行っている。介護現場やコンサルティングの実践においてシニアと接することで知りえた方法をもとに、独自の理論を構築。小売業や飲食業、サービス業、住宅リフォーム業、製造業など様々な業種に、シニアに売れる仕組みづくりを提案している。わかりやすく実践的なコンサルティングには定評がある。
2章 シニアのお客様をもっと深く知ろう!
3章 シニアに売れる商品・サービスづくり
4章 シニアに優しいお店のイロハ
5章 小さなお店にできるシニアの集客術
6章 シニアの心をわしづかみにするコミュニケーション法
7章 シニアのクレームをなくす!
要約ダイジェスト
老齢化が及ぼすシニア市場の変化
日本は高齢化しているが、今後、高齢者の絶対数が増えるだけでなく、人口構成も変わり、前期高齢者(65歳以上75歳未満)が減り、後期高齢者(75歳以上)が増える。この現象をシニア(本書では65歳以上と定義)市場全体で見れば、単純にシニア市場が増えるのではなく、その中でも動きがあるということだ。
例えば、保健医療や光熱・水道といった需要は、後期高齢者のほうが需要が高いので、ますます伸びる。リフォーム需要も、後期高齢者になると、どんどん増える。これに対して、食料や教養・娯楽、被服・履物などの需要は下がることになる。
近年では、アクティブ・シニアという、「第二の人生を謡歌する元気なシニア像」をステレオタイプ的に想定して、シニアマーケティングが語られることが多くある。確かに、このようなシニア層はいるが、あくまで富裕層に限られ、大多数のシニアには当てはまらない。
実際に、アクティブ・シニアを想定した商品・サービスは思ったより売れなかったと言われている。その原因としては、人生100年と言われるほど平均寿命が伸びたことで、豊かな老後でなくなったということだ。老齢化する日本において、消費に意欲的でないシニア層にどのようにアプローチするのかを考えないと、これからのシニア市場では生き残れない。
シニアビジネスは2つの「やすさ」のビジネス
最近は、シニアの安否を部屋や物に設置したセンサーで確認し、ネット回線を介して親族やセキュリティ会社などに連絡する「見守りサービス」がたくさん開発されている。これらは非常に便利なのだが、