『BANK 4.0 未来の銀行』
(ブレット・キング/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 仮想通貨、キャッシュレス化、AIによる信用スコアなど、金融とテクノロジーが融合した「フィンテック」関連のニュースを目にしない日はない。多くのテクノロジー企業やスタートアップが参戦するなか、伝統的な金融機関である銀行およびバンキング(銀行業務)が抜本的な変革を迫られている。
 
 著者によれば、今起こっている変化は、バンキングの本質的課題をテクノロジーで解決し、時と場所を問わず利便性の高いサービスを提供する「Bank 4.0」への進化だ。それゆえ、多数の支店や人員を抱え、商品やプロセスをデジタル化しただけの従来型銀行では生き残れない。そして本書では、未来の銀行と銀行員の姿を明らかにする。

 著者は、米国国家経済委員会や世界の政府機関にアドバイスを行うテクノロジー・フューチャリストで、自身もフィンテック企業ムーブンの創立者でもある。金融は経済と日常生活のインフラとも言え、その未来はあらゆる産業に影響をおよぼす。金融機関関係者だけでなく、多くのビジネスパーソンにぜひご一読いただきたい。

著者:ブレット・キング(Brett King)
 テクノロジー・フューチャリスト。ムーブン(Moven)創立者。50を超える国で100万人を超える人々に向けて、テクノロジーがビジネスをディスラプトし、人々の行動を変え、社会に与える影響について講演している。オバマ政権のホワイトハウスや国家経済委員会に対して、米国におけるバンキングの未来について助言するほか、世界中の政府や規制当局に対してアドバイスを提供している。
 2011年に、モバイルスタートアップのムーブンを共同設立、現在までに4,200万ドルの投資を受け、米国発の消費者向けネオバンクとして、世界初のモバイルのダウンロード可能銀行口座を提供している。アメリカン・バンカー誌の「イノベーター・オブ・ザ・イヤー」、フィナンシャル・ブランドの「金融サービス・インフルエンサー世界 No.1」に選出、バンク・イノベーション誌には「最もクールなバンキング・ブランド」のトップ10にノミネートされ、Bank Innovation誌で「ディスラプターのキング」と称される。

解説:NTTデータオープンイノベーション事業創発室
 2013年9月に、これまでの連続的なビジネス企画から、非連続かつエクスポネンシャルな新たなビジネス創発を迅速に実現するために発足。オープンイノベーションを活用し、ベンチャー企業×大企業×NTTデータによる Win-Winとなるビジネス創発を目指す。2018年には世界鋤都市でオープンイノベーションコンテストを開催。世界中のエコシステムや先鋭的なスタートァップと連携して、各々の地域で異なる課題や技術、ピジネスモデルをかけ合わせることにより、これまでにない全く新しい社会インフラ構築の実現を指向する。合い言葉は「さあ、ともに世界を変えていこう」。

監訳:藤原 遠(Fujiwara Toshi)
 株式会社NTTデータ代表取締役副社長執行役員金融分野担当、欧米分野担当、グローバルマーケティング担当。1985年東京大学工学部卒とともに日本電信電話株式会社入社後、1988年の分社に伴いNTTデータ通信株式会社へ。銀行、保険、決済インフラ等の金融分野事業に一貫して携わり、執行役員第四金融事業本部長(2014年)、執行役員第一金融事業本部長(2015年)、取締役常務執行役員金融分野担当(2017年)を歴任後、2018年6月より現職。米国コーネル大学経営学修士(MBA)・工学修士(ME)。

訳者:上野 博(Ueno Hiroshi)
NTTデータ経営研究所金融政策コンサルティングユニットエグゼクティブスペシャリスト。住友銀行、日本総合研究所、フューチャーシステムコンサルティング、マーケティング・エクセレンス、日本IBMを経て現職。金融サービス業界を中心に、経営・事業戦略/新規事業開発/業務改革/マーケティング/テクノロジー活用等に関するコンサルティング/発信/提言活動を活発に実施。

訳者:岡田 和也(Okada Kazuya)
 NTTデータオープンイノベーション事業創発室デジタル戦略推進部オープンイノベーション・チームシニアエキスパート。日本生まれ欧州育ち。ジョージワシントン大学ITマネジメント修士課程修了、同時に米国連邦政府からCIO Certificationを取得。NTTデータにてNASAと宇宙開発事業団の連携業務に従事した後、ワシントンDCでCSIS(戦略国際問題研究所)客員研究員等の立場からITイノベーションや電子政府に関する提言活動を行う。現在NTTデータオープンイノベーション事業創発室においてフィンテックを中心とする世界各国のベンチャーとの事業開発に取り組む。

PART1:2050年の銀行
 CHAPTER1:第一原理への回帰
 CHAPTER2:規制当局のジレンマ
PART2:リアルタイム世界におけるバンキングの再構築
 CHAPTER3:組込み型バンキング
 CHAPTER4:商品とチャネルから顧客経験へ
 CHAPTER5:分散台帳技術、ブロックチェーン、仮想通貨、分散型エコシステム
PART3:フィンテックで銀行が不要となる理由
 CHAPTER6:フィンテックとテックフィン:敵か味方か?
 CHAPTER7:バンキングにおけるAIの役割
 CHAPTER8:普遍的な顧客経験
PART4:生き残る銀行、そうでない銀行
 CHAPTER9:適応か死か
 CHAPTER10:結論:Bank 4.0へのロードマップ

要約ダイジェスト

Bank 4.0

 書籍『Bank 2.0』を書いた 2009年は、後にリテールバンキングの大きな要素となるモバイルが始まったばかりであり、フィンテックについては、私たちのほとんどがその言葉すら耳にしていなかった。テクノロジーによって顧客行動が急速に変化していて、そのためバンキングの変革が必然となっていることは明白であるという事実を掘り下げたにすぎなかった。

 書籍『Bank 3.0』では、新しいテクノロジーだけに基づく銀行が存在しうることがさらに現実的となった。『Bank 3.0』のなかで書いたように、「バンキングはどこかに行ってするものではなく、単に『する』だけのものになる」ということだ。これが6年前のことだ。

『Bank 4.0』を書くのが遅れた理由はシンプルだ。完全なマルチチャネルが実現した先に、未来のバンキングがどこへ向かうのかが明確でなかったからだ。型破りのノンバンクプレーヤーが、複数の驚くべき変革を起こし、はじめて私は、それが今後 10~20年で従来型の銀行モデルの土台を蝕んでしまうことを理解した。

 ほとんどの銀行が抱える問題は、旧式の従来型バンキングモデルの上にテクノロジーを付け加えているだけであることだ。商品やプロセスは根本的には同じものを後からデジタルに仕立て直しただけなのである。

 しかし、中国、インド、ケニア、その他のような市場では、

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