『人に頼む技術―コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学』
(ハイディ・グラント/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 人に頼みごとするのは何となく気がひけるという方も多いだろう。相手があまり親しくない人の場合などはなおさらだ。しかし働き方改革や多様性の推進によって、現代の職場では、以前にも増して共同作業やサポートが重要になってきている。また、リーダー的立場の人は、メンバーが助け合いの文化を築かなければ、組織が生き残れない。

 本書は、助ける側と助けられる側がどちらも気分が良くなるような頼み方の手法を、最新の研究成果によってひも解く一冊だ。実は、人間は頼み事が成功する確率を、実際よりもはるかに低く見積りがちなのだという。心理学的知見をわかりやすく解説しながら、こうした頼み事の真実や間違った常識を明らかにし、実践的なテクニックを指南する。

 著者は、コロンビア大学ビジネススクール・モチベーションサイエンスセンター副所長を務める社会心理学者で、モチベーションと目標達成に関する第一人者。本書は多数のベストセラーを持つ著者の最新作で、人への頼み事が苦手な方はもちろん、より良いコミュニケーションや組織づくりに興味関心がある方などもぜひご一読いただきたい。

著者:ハイディ・グラント(Heidi Grant)
 社会心理学者。コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長。コロンビア大学で博士号を取得。モチベーションと目標達成の分野の第一人者。「ハーバード・ビジネス・レビュー」「ハフィントンポスト」「サイコロジー・トゥデイ」「フォーブス」などへの寄稿多数。本書のほか『やり抜く人の9つの習慣』(ディスカヴァー)『やってのける』(大和書房)『だれもわかってくれない』(早川書房)などのベストセラーがある。

訳者:児島 修(Kojima Osamu)
 英日翻訳者。立命館大学文学部卒。訳書に『やってのける』(大和書房)、『一人になりたい男、話を聞いてほしい女』(ダイヤモンド社)などがある。

第1部 なぜ、頼み事をするのは難しいのか
 第1章 誰かに何かを頼むのを気まずく感じる理由
 第2章 なぜ“頼んでも断られるだろう”と思うのか
 第3章 “頼み事をしたら嫌がられるかもしれない”という誤解
第2部 良い頼み方、ダメな頼み方
 第4章 “助けを求めること”が抱える矛盾
 第5章 必要な助けを得るための4つのステップ
 第6章 こんな頼み方をしてはいけない
第3部 人を動かす3つの力
 第7章 「仲間意識」を活用する
 第8章 「自尊心」を刺激する
 第9章 「有効性」を感じさせる

要約ダイジェスト

誰かに何かを頼むのを気まずく感じる理由

 人は、誰かに頼み事をしたり、助けを求めたりするのをひどく敬遠する傾向がある。それが自分の知識や能力不足を意味し得るものである場合には、馬鹿にされたり軽蔑されたりするかもしれないという不安を覚えるからだ。

 また、相手がこちらのリクエストに応えてくれるかがわからないので、確実性の感覚も下がり、その反応を受け入れなくてはならないので、自律性の感覚も低下する。さらに、相手に「ノー」と言われれば、関係性(集団への帰属意識や他者とのつながり)への脅威も生じ、相手との関係に公平性を感じることはない。私たちが人に助けを求めることを疫病のように避けようとするのも当然なのだ。

 誰かに何かを頼むときに感じる苦しみの大きさは、その要求がどれくらいの割合で拒絶されるだろうかという予測によっても変化する。そして率直に言って、私たちはこの予測がとてつもなく下手だ。

 コーネル大学の組織行動学教授バネッサ・ボーンズは、被験者延べ1万 4,000人以上の見知らぬ人にさまざまな種類の頼み事をした複数の研究を分析し、被験者が成功率を平均で約 48%低く見積もっていたことを明らかにした。つまり、

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