『志を育てる 増補改訂版』
(グロービス経営大学院/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 何のために生きるのか、あるいは働くのか。その拠り所となるのが「志」だ。本書は、そのような志をいかにして見つけ、育て上げていくのかを説いた2011年発刊のロングセラーの増補改訂版である。この8年間で社会は大きく変化したが、不確実性を増す時代の中で、自分の頭で考え自分の意志で選択する「志」を持つことの価値はさらに増した。

 本書では、調査に基づき、「志とは何か」という定義から始まり、志醸成のサイクルとそれに影響を与える要素などを明らかにする。随所に、実際のインタビュー調査のコメントが散りばめられているだけでなく、後半では「事例編」として、志を見つけ、それを実現していった8名の実例が紹介され、リアリティを持って読み進められるはずだ。

 著者は、経営スキルのみならず「志の発見、醸成」に力を入れビジネスリーダーを育成するグロービス経営大学院。増補改訂版ではセミナーなどで得られた声をもとに、「最後の一歩を踏み出せる人と、踏み出せない人の違い」などの部分が加筆され、より実践的な内容となっている。本気で志を抱き、成長していきたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:グロービス経営大学院(The Graduate School of Management, GLOBIS University)
 社会に創造と変革をもたらすビジネスリーダーを育成するとともに、グロービスの各活動を通じて蓄積した知見に基づいた、実践的な経営ノウハウの研究・開発・発信を行なっている。
・日本語(東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン)
・英語(東京、大阪、オンライン)

グロービスには以下の事業がある。
●グロービス・マネジメント・スクール
●グロービス・コーポレート・エデュケーション(法人向け人材育成サービス/日本・上海・シンガポール・タイ)
●グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャーキャピタル事業)
●グロービス出版(出版/電子出版事業)
●GLOBIS知見録/GLOBIS Insights(オウンドメディア、スマホアプリ)
その他の事業:
●一般社団法人G1(カンファレンス運営)
●一般財団法人KIBOW(震災復興支援活動、社会的インパクト投資)
●株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント(プロバスケットボールチーム運営)

第1章 「志」とは何か
第2章 志醸成サイクル
第3章 志のサイクルに影響を与える要素
第4章 志の成長の方向性
第5章 事例編

要約ダイジェスト

「志」とは何か

 古今東西、数多くの人が、「志」を抱いて生きていくことの大切さを説く言葉を残している。しかし、志が醸成されるプロセスや、何がきっかけでその志が生まれたのかといったことに関する研究はほとんど存在しないため、約2年間をかけ、インタビュー調査を中心に検討を行った。

 「志」は、概念自体が言語化しにくく、イメージが人によって異なる。そこで、調査・論を進めるにあたり、志を「一定の期間、人生をかけてコミットできるようなこと(目標)」と定義した。この定義は一見すると、多くの読者が想定する「志」のイメージから遠いかもしれない。志は一般的には「高尚なもの」「他人のために動くこと」のように思われているからだ。

 そこで、わかりやすく、一定期間人生をかけてコミットする目標を「小志」、一生涯を通じて達成しようとするものを「大志」と2つに分けてみよう。

 「大志」に対する自覚が生まれるのには2通りある。①小志を積み重ねていく中で、徐々に自分自身の大志に気づくパターン、②はじめに大志ありきだが、小志を積み重ねていくことで、その大志の具現化を進めていくパターンだ。だが、どちらも「小志の積み重ねの中で大志を形作っていく」というプロセスに本質的な違いはない。

 多くのインタビュー対象者は、

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