『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』
(山口揚平/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 本書の著者 山口揚平氏は、現在1日3時間しか働かないと決めている。それでも 10年前に比べ成果は3倍になったという。それを可能にしたのが、物事の本質を突き詰めて考える著者独自の思考法だ。タイトルから受けるソフトな印象とは裏腹に、その技術はストイックかつハードなもので、それゆえに著者がいうように人間が AIを凌ぐ武器となり得る。

 本書では、具体的に「メタ思考」やワンネス哲学(すべてのものは有機的なつながりをもつと考える思想)を駆使して物事の本質に迫る技法を解説。さらに、情報との向き合い方、様々な概念・言葉の再定義、2020年東京オリンピック以降の日本社会やお金・仕事・個人の未来についても洞察する内容となっている。

 著者は大手外資系コンサルティング企業で M&A、企業再生に携わり、独立後は複数の事業、会社を運営しながら、執筆・講演活動を行う事業家・思想家。AIやロボットへの脅威や時代の変化を感じつつ、多忙で考える時間がとれないという方はぜひご一読いただきたい。一読すれば、思考の筋力トレーニングを受けているような感覚を覚えるはずだ。

著者:山口 揚平(Yamaguchi Yohei)
 事業家・思想家。早稲田大学政治経済学部卒・東京大学大学院修士(社会情報学修士)。専門は貨幣論、情報化社会論。 1990年代より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと、30歳で独立・起業。劇団経営、海外ビジネス研修プログラム事業をはじめとする複数の事業、会社を運営するかたわら、執筆・講演活動を行っている。NHK「ニッポンのジレンマ」をはじめ、メディア出演多数。
 著書に『知ってそうで知らなかったほんとうの株のしくみ』(PHP)、『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』(日本実業出版社)、『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』(KADOKAWA)、『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今身につけるべきこと』(SBクリエイティブ)などがある。
第1章 思考力は AIを凌ぐ武器になる
・思考は情報に勝る
・考えるとは何か?
・なぜ考えるのか?
・考える真の目的とは何か?
第2章 短時間で成果を出す思考の技法
・日々、どのように考えれば良いのか?
・物事を考えるのに役立つ4つのツール
・未来をも見通す思考の哲学
第3章 2020年から先の世界を生き抜く方法を考える
・アフターオリンピック(2020年以降)の世界
・お金はこの先どう変化するか?
・経済にお金は必要か?~非貨幣経済の出現~
・社会は溶け去り、マルチコミュニティの時代へ
・2020年以降、「仕事」はこう変わる
・日本の産業はロボティクスに注力せよ
・個人から「関係」にシフトする

要約ダイジェスト

思考力は AIを凌ぐ武器になる

 「なぜ、大半の高層ビルはガラス張りなのか?」素朴な疑問だが、その答えを知っている人は少ない。その理由はビル全体を軽量化できコストを下げられるからだ。都会人は疑問にすら思わないが、地方から東京に遊びにきた子どもが高層ビル群を眺めたら、「なんでガラス張りの建物ばかりなの?」と思うだろう。

 このように、実は物事と距離を置くことは価値がある。しかし私たちは目の前の仕事に追われ、本当に解くべき問いを間違える。日本全体の問題は、少子化でも高齢化でもなく、私たち現役世代の、正しく問いを立てる力の低下にある。「解を問う」のではなく、「問いを問う」のが 21世紀の教育だ。グーグルは解を教えてくれるが、問いは教えてくれないからだ。

 思考は情報に勝る。情報はあくまでも思考の素材であり、目的ではない。世の中は超情報化社会と言われるが、情報量が増えれば増えるほど人は思考しなくなる。思考を鍛えたいのであれば、情報を減らし、思考の割合を増やすことだ。

 思考の正体とは、「意識を自由に動かすこと」にある。人の意識は有限なのに、むやみに情報を取り入れると、意識はそれらの情報と結合してしまう。これが「固定観念」だ。賢い人とは頭が柔らかい人であり、情報に意識が絡め取られておらず、ニュートラルな状態にあるとも言える。だからこそ自由に意識を漂わせ、前提を疑い、

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