『AIをビジネスに実装する方法―「ディープラーニング」が利益を創出する』
(岡田陽介/著)

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 日本企業は世界的に見て、AIやディープラーニング(深層学習)技術の導入が遅れているという。その点を著者は「もはや『人工知能って何?』などと言っている時代ではない」と危惧する。AIやディープラーニングはすでに最先端技術ではなく、いかにして導入・活用していくかというフェーズに入っているのだ。

 そして、経営者やビジネスパーソンにとって必要なのは、AIの仕組みの理解ではなく、導入目的の定め方や導入プロセス、AI企業から提供されるサービスの種類、活用方法などを知っておくことだ。本書は、AIそのものの知識よりも、導入事例などを多く盛り込み、「いかに AIを実装するか」に主眼が置かれている点で類書とは大きく異なっている。

 著者は、日本で最初のディープラーニング企業、株式会社 ABEJAの創業者で、日本ディープラーニング協会の理事も務める人物。ディープラーニング黎明期から、その進化の歴史を間近で見てきた経験から、AI導入の本質を語っている。今後、誰もが AIを使う世の中になるという意味では、すべてのビジネスパーソンにとって必読の書と言えるだろう。

著者:岡田 陽介(Okada Yosuke)
 株式会社 ABEJA代表取締役社長。日本ディープラーニング協会理事。1988年愛知県名古屋市出身。10歳でプログラミングをスタート。高校でCGを専攻し、全国高等学校デザイン選手権大会で文部科学大臣賞を受賞。大学在学中、CG関連の国際会議で発表多数。
 その後、ITベンチャー企業を経て、シリコンバレーに滞在中、人工知能(特にディープラーニング)の革命的進化を目の当たりにする。帰国後の2012年9月、日本で初めてディープラーニングを専門的に取り扱うベンチャー企業である株式会社ABEJAを起業。2017年には、ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指し、日本ディープラーニング協会の設立に参画、理事を務める。
1章 なぜ、いまだにAI導入を躊躇するのか
2章 ネコでもわかるディープラーニングの原理
3章 AIの導入前に知っておきたいこと
4章 データ取得から学習、デプロイ、運用まで~AI導入のプロセスを知る~
5章 AIを導入した企業のビフォー&アフター
6章 画像、音声、テキストが新しいビジネスを生む
7章 レバレッジ・ポイントに AIの力を注ぎ込む

要約ダイジェスト

もはや「人工知能って何?」の時代は過ぎている

 2012年 10月、世界中の人工知能(AI)、 コンピュータビジョンの研究者、企業に衝撃が走った。AI分野における世界的な画像認識コンテストにおいて、それまではエラー率 25~26%台で競い合っていた AIによる画像認識の精度を、一気に 10%以上も下げてぶっちぎりで優勝するチームが出現したのだ。

 そのとき用いた手法こそ、現在大きな話題になっている「ディープラーニング(深層学習)」だ。このコンテストの課題は、人間でも 5.1%ほど間違えるという難易度の高いものだが、その後のディープラーニングの発展によって、2015年には人間よりも精度が高くなっている。つまり、人間以上の眼を、コンピュータが獲得したのだ。

 少なくともビジネスの世界に生きているなら、もはや「人工知能って、何?」などと言っている時代ではない。最近、Googleは、「ディープラーニングは、もはや枯れた(十分に使われている)技術だ」と公言しており、実際にディープラーニングをベースとした製品、サービスがかなり現れている。

 例えば、よく使われているのが Google翻訳だろう。「最近は Google翻訳の精度が高くなったから、結構使える」という人が増えている。知らずしらず、我々は日常的に AI (とくにディープラーニング)を使うようになってきているのだ。

 旧来の機械学習(マシンラーニング)とディープラーニングでは、「これは犬だよ」「これは猫だよ」というタグ情報を付けた大量のデータを入力して学習させることで推論の精度を高めようという考え方は同じである。

 しかし、「犬である」あるいは「猫である」ことを指し示す「特徴量」を人間が設計しなければならない従来の機械学習では、正確に設計することは難しかった。ディープラーニングは、特徴量の抽出方法を大量のデータから自動で獲得してくれるため、結果として推論の精度を高めることができたのだ。

AIの導入前に知っておきたいこと

最もつまずきそうな部分を見て選ぶ

 企業がAIを導入する場合、天才的エンジニアが社内に何人もいるのでない限り、使うのがラクなAIを導入するのが賢明だ。初心者でも使える AIの見分け方で一番よい基準は、

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