『なぜ、トヨタはテキサスに拠点を移したのか?』
(倉石灯、中野博/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 2017年、トヨタがカリフォルニア州トーランスからテキサス州プレイノへと米国本社機能を移転したことをご存じだろうか。プレイノを始めテキサスは成長著しい「ダラス経済圏」に位置し、いまトヨタ以外にも多くの企業の進出や移転が進んでいる。本書は、東海岸、西海岸経済圏に次ぐ第三の経済圏として注目を集めるテキサスの秘密に迫る一冊だ。

 テキサスといえばカウボーイや西部劇といった昔ながらのアメリカのイメージがあるが、実は人口・名目GDPともにカリフォルニアに次ぐ第2位だ。全米へのアクセスの良さ、石油や天然ガス、風力などの資源の潤沢さもあり IT企業も集積し、さらにウーバーが「空飛ぶタクシー」の実験を予定するなど、今や未来の実験場の様相を呈しているのだ。

 本書ではこれらの躍進を後押ししている税制優遇などの州政策にも触れ、テキサスを通してアメリカとアメリカンドリームの未来をも描いている。著者はテキサスで商業不動産投資専門家として活躍する倉石灯氏と、未来生活研究所など3社の経営の傍ら「信和義塾大學校」を創設、アメリカ、カナダ、タイなど世界各地で和魂洋才を教える中野博氏。

著者:倉石 灯(Kuraishi Akari)
 ルーク倉石。和魂リアルティ株式会社CEO。長野県出身。防衛大学校管理学部卒業。1984年、渡米。ダラス大経営大学院卒業(MBA取得)。1987年、米国三井不動産販売株式会社入社。同社副社長兼ブローカーオフィサーを務める。十数年の在職中には、主に米国商業不動産の小口化商品を日本の投資家向けに販売し、会社として総額約200億ドル分の不動産を証券化。1997年、米国最高峰の認定不動産投資顧問資格CCIM取得。
 同社退職後、日米で十数社の役員を務め、自らが代表取締役を務める会社を株式公開。テキサスで不動産のアセットマネジメント等、商業不動産投資専門家として活躍し、和の心(和魂)を伝える。共著書に『資産家たちはなぜ今、テキサスを買い始めたのか?』(ぱる出版)がある。

中野 博(Nakano Hiroshi)
 作家兼実業家。愛知県出身。早稲田大学商学部卒業。デンソー入社後、ジャーナリストとして活躍。1997年にてエコライフ研究所設立。その後、ゴクー、未来生活研究所を設立し、代表取締役に就任。現在も3社の経営に当たる。2011年から「信和義塾大學校」を創設し、アメリカ、カナダ、タイなど世界各地で和魂洋才を教える。テキサスにも5年ほど前から注目して取材を開始、2年前に開校した。著作は『“強運を呼ぶ”9code(ナインコード)占い』(ダイヤモンド社)や「信和義塾シリーズ」(現代書林)など。本書が32冊目。

序 章 10年後、世界を牽引するアメリカ・テキサス
第1章 なぜ、トヨタはテキサスを選んだのか?
第2章 トヨタが選んだテキサスの魅力
第3章 今なぜ、ダラス経済圏へ日本企業の進出が相次いでいるのか?
第4章 アメリカ経済の新しい中心となる可能性
第5章 若きリーダーはテキサスから世界を目指せ!
第6章 もし、高速鉄道がダラス起点で全米に開通したら

要約ダイジェスト

世界を牽引するアメリカ・テキサス

 「20年後、世界を牽引していく国はどこか?」こう質問されたら、それは「アメリカ合衆国」だ。アメリカは今後も人口が増え続け、2000年は2億 8000万人だった人口が、2050年までには4億人にまで増えると見込まれている。

 しかもアメリカは 20代、30代の人口比率が極めて高く、年間300万人ものペースで人口が増加し続けている。実はこのように若年人口が大幅に増加していく国は、世界であまり例がなく、経済発展著しい中国でさえも、あと数年で若年労働人口は大きく減少していくのだ。

 アメリカは世界最大の国であり、州だけで 50もあるが、特に目を向けるべきなのが、アメリカ合衆国の中部に位置する「テキサス州」だ。その中でも「ダラス経済圏」が今、最も注目されている。

 ダラス経済圏は、ダラス・フォートワース(以後、DFW)都市圏とも呼ばれ、多様な産業やセクターの企業が集まり、非常にバランスのとれた経済圏が作られている。2009年からの5年間だけで見ても、約 800社もの企業が、DFWへの移転や事業の拡張を推進しているのだ。

 これまでのアメリカは「東海岸経済圏」(政治・国際機関の中枢域=ニューヨーク、ワシントン)「西海岸経済圏」(文化とイノベーション創造域=ロサンゼルス、シリコンバレー)の2軸で発展してきた。そして今、次代を牽引する第三の経済圏を生み出そうとしている。それがテキサス州の諸都市を核とする南部経済圏なのだ。

なぜ、トヨタはテキサスを選んだのか?

 2014年、トヨタは北米販売拠点をカリフォルニア州トーランス(ロサンゼルス経済圏)から、テキサス州プレイノ(ダラス経済圏)に移転すると発表。そして 2017年夏、米国トヨタは 50年本社を置いていたロサンゼルスから去り、同時に米国内に点在していた他の拠点も集約する形でテキサス州プレイノ市に移転した。

 移転先にテキサス州を選んだ理由は、税金にしても環境規制にしても法人に優しいビジネス環境、が第一にある。また、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2018 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集