『右脳思考―ロジカルシンキングの限界を超える 観・感・勘のススメ』
(内田和成/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 「勘や経験で判断するな」「好き嫌いなどの感情で仕事をするな」といった言葉で、ロジカルシンキング(論理的思考)の重要性を説かれた経験のある方は多いだろう。しかし、優れた経営者の多くは勘や直感を大切にしているともいわれ、また、仕事を進めるうえで、人がロジックや理屈だけでは動かないことを体感する場面も少なくないはずだ。

 論理的思考の極致ともいえる外資系戦略コンサルティングファームの日本代表も務めた内田和成氏は、本書でロジカルシンキングの効用を認めつつも、直感や勘などのいわゆる「右脳」的思考の重要性を明らかにする。「右脳」と「左脳」は両輪で活用することで創造性や生産性を最大化できるが、それぞれ使うのにふさわしい時と場合があるのだ。

 本書では、右脳・左脳を使うべきタイミング、使い分け方、右脳の鍛え方など、これまで属人的なものと考えられてきた右脳思考のノウハウが見事に「見える化」されている。ロジカルシンキングを重視してきたが結果が出ないという方はもちろん、勘や経験の限界を感じている方、仕事力を一段レベルアップさせたい方などはぜひご一読いただきたい。

著者:内田 和成(ウチダ カズナリ)
 早稲田大学ビジネススクール教授。東京大学工学部卒業。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空株式会社を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。2006年には「世界の有力コンサルタント25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出。
 2006年より早稲田大学大学院商学研究科教授。ビジネススクールで競争戦略論やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行なう。著書に『仮説思考』『論点思考』(東洋経済新報社)、『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』(編著)『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(KADOKAWA)、『プロの知的生産術』(PHP研究所)などがある。
第1章 右脳を使うことが重要な理由
第2章 右脳の使い方
第3章 右脳で考え、左脳でロジカルチェック
第4章 左脳で考えたロジックフローを右脳で肉づけ
第5章 右脳「力」を鍛える
第6章 ロジカルシンキングより直感を信じてみよう

要約ダイジェスト

右脳を使うことが重要な理由

 企業で仕事をしていて、よいアイデアを思いついたとき、そのアイデアをそのまま口にすると「何を根拠にそんなことを言うのだ」と詰められたり、逆にある企画に対して「なんかおかしいな」と感じても理屈が立たずに声をあげられなかったりという経験があるだろう。

 こうした状況に陥ったときに、推奨されている解決策は次のようなことだ。大事なことは物事を論理的に考え、できれば数字などのデータで証拠を見せた上で、筋道立てて説明する。特にコンサルティングの仕事をしていると、論理的な見方・考え方、データや統計などの数字を示す説得の方法を徹底的に叩き込まれる。

 こうした分析を行なう際には、例えばビジネススクールで学ぶようなマーケティング分析手法、財務分析、組織改革の方法論などが必要とされる。しかし、長年のビジネス経験から言えるのは、そうした知識だけでは不十分であるということ。そして優れた経営者から学んだのは、彼らは経験や直感をとても大切にしているということである。

 本書では、感情、直感、勘など、論理(ロジック)では説明できないひらめき・思いつき・考えを総称して右脳とする。それに対して、左脳とはロジック(論理)そのもの、あるいはロジックで説明できるものを指す。

 本書で伝えたいのは、ロジカルシンキングの否定ではない。ロジックだけでなく感情や勘、すなわち右脳を働かせることで仕事をより効率的に進める、あるいは成果をあげることができるということだ。

右脳の使いかた

仕事は3つのステージで成り立つ

 ではビジネスにおいて、右脳をどこでどう使うのか。例えば、仕事で何か問題が起きたとき、課題を明らかにして解決策を策定し、実行に移す。しかし、いきなり解決策は生まれない。そのために準備作業が必要になるが、

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