『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』
(ダニエル・コイル/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 企業から軍隊、スポーツチームまで、強固なチームワークで成果をあげる組織には、独自の強いチームカルチャー、すなわち「文化」がある。彼らのような文化を組織に根付かせるにはどうすればよいのか。本書では、Google、IDEO、ピクサー、アメリカ海軍などのチームを分析、強い文化が3つのスキルによってつくられることを解き明かしている。

 多くの事例や定量的エビデンスを元に導かれた3つのスキルとは、「安全な環境をつくる」「弱さを共有する」「共通の目標を持つ」というシンプルなものだが、一読すれば、これら3つを高いレベルで実現するにはリーダーとメンバーの相当な努力が必要なことがわかるはずだ。本書はその具体的手法をいくつも提示した実践的な内容となっている。

 著者は NYタイムズ・ベストセラー作家で、監訳は著名経営学者である楠木建氏。強烈なリーダーシップではなく、日常の小さな行動の積み重ねを重視する新たな組織論とも言える本書は米ブルームバーグ社の「The Best Books of 2018」にも選出されている。経営者やマネジメント層をはじめ、チームづくりに携わる方はぜひご一読いただきたい。

著者:ダニエル・コイル(Daniel Coyle)
 ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作家。著作は『才能を伸ばすシンプルな本』(サンマーク出版)、タイラー・ハミルトンとの共著で『シークレット・レース:ツール・ド・フランスの知られざる内幕』(小学館)など。2012年、ウィリアム・ヒル・スポーツ・ブック・オブ・ザ・イヤーをハミルトンとともに受賞。「アウトサイド」誌コントリビューティング・エディター。大リーグのクリーブランド・インディアンス特別アドバイザーも務める。家族は妻のジェンと4人の子供。子供の学校がある時期はクリーブランド州オハイオで、夏の間はアラスカ州ホーマーで暮らす。

監訳者:楠木 建(Kusunoki Ken)
 一橋大学大学院経営管理研究科教授。専攻は競争戦略。著書に『ストーリーとしての競争戦略』『「好き嫌い」と経営』『「好き嫌い」と才能』(東洋経済新報社)『戦略読書日記』(プレジデント社)『経営センスの論理』(新潮新書)などがあるほか、監訳書に『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』(三笠書房)がある。

訳者:桜田直美(Sakurada Naomi)
 翻訳家。早稲田大学第一文学部卒。訳書は『トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法』『ジ・エンド・オブ・バンキング 銀行の終わりと金融の未来』(かんき出版)『睡眠こそ最強の解決策である』(SBクリエイティブ)『こうして、思考は現実になる』(サンマーク出版)など多数。

Introduction 2足す2が10になるとき
スキル1 安全な環境をつくる
 第1章 チームに必要な環境
 第2章 チームの化学反応
 第3章 結束力のあるチーム
 第4章 帰属意識の育て方
 第5章 帰属意識の高いチームをつくる
 第6章 行動のためのアイデア1
スキル2 弱さを共有する
 第7章 弱さを見せる
 第8章 弱さのループ
 第9章 驚異のチームワーク
 第10章 小さなチームで協力関係を築く方法
 第11章 個人間の協力関係を築く方法
 第12章 行動のためのアイデア2
スキル3 共通の目標を持つ
 第13章 チームの価値観と目標の共有
 第14章 目的意識の高いチーム
 第15章 「熟練したチーム」のつくり方
 第16章 「創造的なチーム」のつくり方
 第17章 行動のためのアイデア3
Epilogue モンテッソーリ中学校でのチームづくり

要約ダイジェスト

成功しているチームの共通スキル

 成功しているビジネス、優勝したスポーツチーム、幸せな家族には、かならず力強いチームの文化がある。私たちは、文化はDNAのようなものだと考えているが、世界でもっとも成功しているいくつものチームを実際に訪ね、分析を重ねた結果、それらのチームには共通のスキルがあることがわかった。

 スキルは、①安全な環境をつくる(つながりを示すシグナルが、帰属意識とチームのアイデンティティを育てる)、②弱さを見せる(弱さを見せることで信頼関係を築く)、③共通の目標を持つ(物語が共通の価値観や目標を生む)、の大きく3つに分けられる。

 成功したチームの文化は、まるで魔法のように見えるが、その現実の姿は魔法でもなんでもない。文化とは、共通の目標を目指す過程で生まれる有機的な個人のつながりなのだ。

スキル1 安全な環境をつくる

 安心は、強固なチームの文化を築く基盤である。大きな成功を収めているチームのメンバーに、お互いの関係について尋ねると、たいてい同じ答えが返ってくる。彼らは自分たちの関係を「家族」という言葉で表現するのだ。

 彼らは活気に満ちあふれていて、それと同時にメンバーは完全にリラックスしている。興奮と安定という矛盾するような要素が同居しており、これは特別なチームにしか見られない特徴だ。では、どうすればこの雰囲気を人工的につくりだすことができるのか。

 実は私たち人間は、言葉以外の方法で「帰属のシグナル」を送ることで、「安心できる関係」を構築している。帰属のシグナルとは、集団の中で「安全なつながり」を構築する態度のことで、物理的な距離の近さ、アイコンタクト、順番に話す、相手を気にかける、ポディーランゲージ、価値観にぶれがない、すべてのメンバーの間で会話がある、などだ。

 帰属のシグナルには、

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