- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者が実践する「伝わる1行」の書き方は、「絞る」「広げる」「選ぶ」「磨く」という4ステップから成り、センス不要で誰でも習得可能なものだ。本書ではさらに「助詞抜き」「入れ替え」「くり返し」といった言葉を“磨く”コツなども解説。一読すれば、企画書のタイトルや見出し、メールの件名、SNSなどですぐに活用できるはずだ。
著者はコピーライターとして、大塚製薬、資生堂、カネボウ、ポーラ、カシオ、花王、ライオンなどの、おもに女性向けの商品広告を数多く担当。また、ライフワークとして街中の会話やテレビ、雑誌、少女マンガなどから「女心」を研究、特別付録として本書に収録されている「女心入門」は、女性向けマーケティング担当者必見の内容となっている。
京都府出身。京都芸術短期大学(現・京都造形芸術大学)美学美術史学科卒業後、一般企業を経て、広告制作会社ライトパブリシテイに入社、コピーライターとなる。大塚食品「ジャワティー」の雑誌シリーズ広告で、コピーライターの登竜門「東京コピーライターズクラブ新人賞」を受賞。大塚製薬の「ポカリスエットステビア」「カロリーメイト」なども担当する。
その後、出産を機に退社。独立してフリーランスとなり、大手広告代理店からの仕事を中心に活動。これまで、資生堂、カネボウ、ポーラ、ランコム、フローフシなどの化粧品、カシオの女性用腕時計、花王、ライオンのトイレタリー商品など、おもに女性向けの商品広告を数多く担当。現在も第一線で活躍している。
ライフワークとして、街中の会話やテレビ、雑誌、少女マンガなどから、複雑な「女心」を理解するためのヒントを採集し、女性向け商品の広告やキャンペーンに役立てるための研究を行っている。これまでの豊富な経験や知見の高さから、数多くのクライアントや広告関係者から厚い信頼を得ている。本書は、著者が30年以上のコピーライター人生で培ったノウハウのなかから、誰もがすぐに役立てられるものを選りすぐりまとめた1冊。著者のライフワークをまとめた特別付録も必読。
1章 伝えたいことをギュッと凝縮する「4つのステップ」
2章 1行を磨き、輝かせる「7つのステップ」
3章 最短・最速でハートに届く「シズル言葉」で心をつかむ
特別付録 女心入門 女性に届く、1行のコツ
要約ダイジェスト
1行で表現する。だから詳しく知りたくなる
ひと昔前に比べ、文字を使って伝えることの重要性は劇的に増している。身近なところでは SNS。商品説明も以前はリアル店舗で店員さんがお客さんに説明していたが、現在ではネットショップの商品説明だ。ほかにも、電話の代わりにメール、テレビのニュースの代わりにスマホのニュースアプリなど、文字情報があふれている。
同時に、読んでもらえない情報も激増した。読み飛ばされる文章の共通点は、長いことだ。あなたも、企画書や資料などで何行にもわたる文字列の塊が目に入り「これを読むのか…」と、気持ちが萎えてしまう経験をしたことがあるのではないだろうか。
読み飛ばされないためには、短い言葉で伝えるべきだ。そのためには、伝えたいことを凝縮する。そして、読み手に興味を持ってもらうために言葉を磨き、1行(20~30文字程度)で表現することが必要になる。
例えば、ネットショップの商品説明なら、本文部分は読み飛ばされることを前提に、1行で商品をわかりやすくキャッチーに伝える。手づくりのチラシなども、情報を極力絞り、こなれた感のある1行でお店や商品の魅力を表現する。
それだけでお店や商品の格が上がって見え、内容を詳しく見てみようという気にさせてくれる。SNSの投稿も、いきなり本題に入るのではなく、冒頭に気の利いたひと言があれば、読んでみよう、「いいね!」をしてみよう、という気になるのだ。
伝えたいことをギュッと凝縮する「4つのステップ」
読み手の心に刺さる1行を簡単につくるためには、具体的には、「絞る」「広げる」「選ぶ」「磨く」という4ステップを踏む。この4ステップは基本の「き」と言えるようなもので、コピーライターの多くは無意識にこのステップを踏んでいる。しかし、ほとんどの人が、このプロセスを経ず、思いつくままに文章を書いたり、話したりしている。その結果、誰にも伝わらないものになってしまうのだ。
ステップ1 絞る
1行を考えるときに、まずやるべきことは、「誰」に伝えたいのか、ターゲットをしっかり決めること。そして、その相手のことをできるかぎり具体的にイメージすることだ。これは広告だけではなく、