- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書で提唱されている手法を簡単にいうならば、企業の「ウリ」を発見し、それを適切なターゲットに適切なメッセージで伝え、その結果より高く、そして多く買っていただく、ということになる。そもそも著者がこのようなマーケティング手法を指導しはじめたのは、日本企業はどこも大きく差別化できる強みや特徴を持ちながら、それがお客様に十分伝わらず、価格競争で疲弊する事態を数多く目にしたからだという。
それゆえ、本書で提唱されているのは、多額の投資に頼らずに、売上・粗利益を増やす方法である。ウリの見つけ方、磨き方、伝え方から人を動かすストーリーの作り方まで、それぞれがステップや法則としてわかりやすくまとめられている。また、それぞれが多数の企業メッセージやストーリーの実例(約20社)をもとに紹介されているので実践的に理解だろう。メインターゲットは中堅中小企業の経営者層だが、いわゆる大企業の営業マンから、新規事業担当者までひろく使える一冊である。
一般社団法人企業価値協会代表理事。株式会社リアルM代表取締役。1970年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了後、三菱レイヨンにて化繊製造工場と海外営業部門を経験。その後、オーナー企業の経営指導機関である日本経営合理化協会に入協。セミナー企画の最前線で数々の一流コンサルタントをプロデュースする一方、自身もコンサルティングを始める。2009年、株式会社リアルMを設立。2012年には、「一般社団法人企業価値協会」を設立。
第2章 「選ばれる理由」のつくり方
第3章 「選ばれる理由」の伝え方
第4章 価値を伝えるストーリー
第5章 選ばれる理由を「仕組み」にする
あとがき
要約ダイジェスト
人は必ず比べている
比べるからこそ決められる
お正月、私たちは朝からお酒を飲んだりするが、その姿に違和感は抱かない。日頃、花など贈らない人であっても、母の日にカーネーションを贈る人も多いはずだ。
このように私たちは「理由があれば行動する」のだ。これは、何かに対して「お金を払うという行動」にも理由があるということでもある。人は理由があれば行動し、そして理由が伝われば選ばれる。だから「選ばれる理由」をこちらが用意することが大切となる。
私たちは、「情報」によって比較し、買うものを決めており、そこに値段しか情報がなければ、安値を選ぶ人が大多数になる。実際は、初めて目にしたものであっても、過去に見たり聞いたりした記憶から、その商品に似たものを検索して、その値段、性能やデザインと目の前にある新たなものと比較しているのだ。
そこでやっと「高い」「安い」とか、