『日本人が海外で最高の仕事をする方法』
(糸木公廣/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 20年間、9か国にわたる海外経験を積んだ著者による、「海外で現地に溶け込み、楽しみながら成功する」仕事の教科書ともいえる一冊。著者の糸木公廣氏はSONYで急成長するアジアの国々から先進国まで、そして現場マネジャーから現地法人社長まで経験し、常に大きな成果をあげてきた人物。著者がどこにいても通用する仕事のポイントとして語っているのは、ビジネスは「人」が行うものである、という認識である。

 これは文字通り相手に健全な「関心」を示し、相手の文化を尊重するということだが、本書ではこの「人志向」、「現地志向」をもとにした多くのエピソードにより、ビジネスの本質が説かれている。伝わりやすさを考えて、あえて失敗経験も包み隠さずストーリー形式で執筆したというだけあって、読み物としても良質でありながら、しっかりと海外ビジネスにおけるポイントが押さえられている。

 海外志向や海外経験のあるビジネスパーソン、そして海外展開に関連する人事・組織マネジャーにはもちろんお薦めだが、むしろ海外志向があまりない方こそ「海外」を身近に感じることができる一冊としてご一読をお薦めしたい。


著者:糸木公廣(イトキ キミヒロ)
1957年東京都生まれ。北海道大学工学部卒業、東芝を経て1990年ソニー入社。1993年から20年にわたり9カ国に海外赴任。販売会社社長(3カ国)、欧州本社マネジメントなどを歴任し、現地法人の設立・経営、工場経営、合弁・工場閉鎖などを経験。最後の2カ国、ベトナムと韓国では本社より社長賞(優秀業績賞)受賞。2012年8月に退社しシンクグローブ・コンサルティングを設立。現場の観点に基づくコンサルティング・研修を行っている。

出版社:英治出版


序章 どこの国でも相手は人
第1章 現地に飛び込む―失敗からのスタート、助けてくれたのは映画だった
第2章 「違い」を活かす―わかったと思うと裏切られ…外国人としての強みとは
第3章 逃げずに向き合う―ヨーロッパでの大仕事で大失敗。さあ、どうする?
第4章 文化を知り、人を知る―ベトナム人の心をつかんだ広告はこうして生まれた
第5章 自分を見せる―「三重苦」の国・韓国へ…コミュニケーションで会社を変える
第6章 誇りと喜びを育む―ついに熱狂する社員たち。信じてきたことは正しかった
終章 異なるものに出会う意味

要約ダイジェスト

現地文化への理解が身を助ける

 「もう日本に帰ってくれ」これは私が初めての海外赴任であるインドで、現地のビジネスパートナーから言われた言葉だ。当時の私は現地の人たちとの間で、まったく信頼関係を築けていなかった。

 業界や業種、ポジション、その国や地域などによってビジネスで求められることは多種多様な一方で、万国共通の普遍的な面がある。それはビジネスは「人」が行うものである、ということだ。異質なものが交ざる中で働く海外赴任においては特に、「人志向」(=現地志向、文化志向) が国内よりも有効に機能する。

 インドにソニーの販売会社立ち上げのため赴任し懸命に働いたが、「本社の方ばかり向いている」として「日本に帰れ」とまで言われ、

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