『2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート 利益を出すリーダーが必ずやっていること』
(長谷川 和廣/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 ITや AIの普及、グローバル化といったビジネス環境の変化は目まぐるしいが、明確なビジョンやコミュニケーション、マネジメント能力など、現場のリーダーに求められるものはあまり変わらない。そしてその大前提となるのが「利益を生み出す」ということだ。またそれは、企業の生き残りが厳しい時代になればなるほど重要になる能力でもある。

 本書は、グローバル企業の経営幹部やプロの経営コンサルタントとして約 50年間 2,000社を超える企業再生や業績アップに携わってきた著者が、『2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート』シリーズとして、特に利益を生み出す中間管理職、現場リーダー層になるためのアドバイスを約 70編にわたり厳選・再編集したものだ。

 マネジメントの原則、利益や売上アップの原則や、リーダー自身のスキルアップ・キャリアアップについてなど、本書の内容は多岐にわたる。経営の修羅場を多数経験した著者のアドバイスはシンプルかつ本質的で、まさに悩める現場リーダー、経営幹部を目指し視座を高めたい方の座右の書となってくれるだろう。

著者:長谷川 和廣(Hasegawa Kazuhiro)
 1939年千葉県生まれ。中央大学経済学部を卒業後、グローバル企業である十條キンバリー、ゼネラルフーズ、ジョンソンなどで、マーケティング、プロダクトマネジメントを担当。その後、ケロッグジャパン、バイエルジャパンなどで要職を歴任。ケロッグ時代には「玄米フレーク」、ジョンソン時代には消臭剤「シャット」などのヒット商品を送り出す。
 2000年、株式会社ニコン・エシロールの代表取締役に就任。50億円もの赤字を抱えていた同社を1年目で営業利益を黒字化。2年目に経常利益の黒字化と配当を実現、3年目で無借金経営に導く。これまでに 2000社を超える企業の再生事業に参画し、赤字会社の大半を立て直す。現在は会社力研究所代表として、会社再建などを中心に国内外企業の経営相談やセミナーなどを精力的にこなしている。
 27歳のときから、有益な仕事術、人の動き、組織運営、生き残り術、部下やクライアントからの相談事とそれに対するアドバイスなどのエッセンスを「おやっとノート」として書き留め始める。この習慣は 79歳の現在も続いており、その数は 290冊に達する。これをもとにして出版された『社長のノート』シリーズ(かんき出版)は累計 35万部を超えるベストセラーとなった。
はじめに
第1章 リーダーが知っておきたい マネジメントの原則
第2章 リーダーが押さえておきたい 利益を生み出す原則
第3章 リーダーが考えておきたい 売上アップの原則
第4章 リーダーが変えるべき 改善の原則
第5章 リーダーが知っておくべき 人間関係の原則
第6章 リーダーのための スキルアップの原則
第7章 リーダー自身のための キャリアアップの原則

要約ダイジェスト

「うるさい、細かい、しつこい、横着しない」リーダーになる

 ある化学メーカーの会議にコンサルタントとして参加したとき、先方の社員が配った資料に、小さな数字の間違いを見つけた。議題に影響するほどではなく、あとで指摘するつもりだったが、管理職の1人がそのミスに気づき、会議の流れを止めてまで部下に注意を与えていた。

 普通ならば「うるさい上司がいて、社員もかわいそうだ」と考えるかもしれない。だが私はむしろ、この会社はリーダーに恵まれていることがわかり、業績回復に確信を持った。優秀な上司ほど、「うるさい、細かい、しつこい、横着しない」という厳しさを持つ度胸と、「基本を身につけてしっかり成長してほしい」という愛情を持っているからだ。

 ミスに寛容なリーダーのもとでは、同じミスが繰り返されるから、しつこく確認しなければならない。細部をチェックする能力がなければ、やがて大きなミスが起こる。横着している上司に手抜きを指摘されても、部下は不満を募らせるだけ…、まさにこの4つは、マネジメントの基本なのだ。

 細かいことにも厳しいけれど慈愛がある母親役と、人として間違ったことをしたときには激怒するけれど大きな夢を与えてくれる父親役。この二役が、リーダーには求められている。

部下には、答えを教えずビジネスの視点を教える

 ある医薬品商社に、部下の指導法が対照的な2人の営業マネージャーがいた。Aさんは細かいところまで指示を出すタイプで、Bさんは具体的な指示はいっさい出さず、考え方のヒントしか与えない。Aさんのやり方が親切だと考えるかもしれないが、部下を育成するという視点に立てば、正解はBさんだ。

 Bさんは“答えを出すための考え方”だけを教えたので、部下が答えを見つけて成果を出すまで時間がかかった。ただ、答えを出すノウハウを学んだので、環境が変わっても部下は自ら答えを出せる。答えを出すための考え方とは、ひと言で言えばビジネスの物の見方だ。

 たとえば、伸び悩んでいる営業マンがいたら、「あのお客様はもっと買ってくれるかもしれないからアプローチしてごらん」と教えるのではなく、「お客様それぞれの売上を調べれば、何か見えてくるかもしれないね。売上が減っているお客様がいたら、それはどういう意味だと思う?」というように、意味を考えさせて、自分で答えを出せるように導くのである。

 つまりリーダーは、

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