『部下を元気にする、上司の話し方』
(桑野麻衣/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 昨今、部下育成を担うマネジャー層は、働き方改革、ハラスメントの問題など、様々な要因から部下とのコミュニケーションに悩むことが増えている。特に、ゆとり・さとり世代と言われる若手社員との世代間ギャップは深刻だ。では、どうすればお互いのすれ違いやストレスを減らしながら、部下を成長させることができるのか。

 コミュニケーション講師として数多くの研修や現場を見てきた著者によれば、実は現代の部下世代は、褒められることを望んだり、叱られることを恐れているのではない。「自分に深く関心を持ってもらうこと」を求めているのだ。本書ではそれを実現するための伝え方や聞き方、上司のマインドセットについて、具体的なエピソードを交えながら詳細に解説している。

 著者は ANA、ジャパネットたかた、再春館製薬所グループ企業などで、教育研修担当として活躍し、現在は幅広い層に向けて年間約 200本の話し方やコミュニケーション研修や講演を行う人物。上司と部下、両世代のリアルな声から得られた知見は、人材育成に悩むマネジャー層にとって耳が痛いとともに、本当に役立つ処方箋となるはずだ。

著者:桑野麻衣(Kuwano Mai)
 コミュニケーション講師 1984年 埼玉県生まれ。学習院大学卒業後、全日本空輸株式会社に入社。7年間で100万人を超えるお客様サービスに携わる。最重要顧客 DIAMOND会員専用カウンターのサービス責任者、教育訓練インストラクターを務める。また、ANA在籍中にオリエンタルランドに出向し、ディズニーのサービスや教育を学ぶ。2013年にジャパネットたかたに転職。SNS広報担当、研修担当に従事。その後、再春館製薬所グループ企業にて接遇マナー講師として入社し、教育研修を年間200本企画、登壇後に研修講師として独立。
 現在は学生から経営者、新入社員からリーダー職まで幅広い層に向けたコミュニケーションやリーダーシップ等の企業研修、セミナー、講演など幅広く活動。異なる業界での大手、中堅、中小ベンチャー企業における教育担当の経験から、様々な参加者の心に火をつけることを得意とし、年間200本の企業研修・セミナー・講演を国内・海外にて行う。著書に『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
序章 型破りな上司と形無しな上司
1章 男性・女性、年上・若手、論理的・感情的、どんな人でも伝わる話し方
<Column1>あなたはどのような上司になりたいか
2章 部下が生まれ変わったかのようにやる気を出し始める、上手な聴き方
<Column2>映画やドラマを観て感性を磨く
3章 部下を元気にする上司のマインドセット

要約ダイジェスト

「褒める」こと、「叱る」ことよりも大切なこと

 毎年多くの新入社員や若手社員たちの本音とふれあっているからこそ、声を大にして言いたいことがある。それほ、部下は「自分に深く関心を持ってもらうこと」を求めているということだ。褒められることを望んでいるのでも、叱られることを嫌がっているのでもないのだ。

 自分のことをよく見てくれて、関心を持ってくれている人からであれば、叱られても愛を感じるという。逆に関心を持ってくれず、自分のことをよく見てもいないのに、適当な表現で褒められると何も響かない上に信頼もできないという意見も多く聞く。

 今の若い世代は、私たちが思っている以上に冷静に上司を見ており、ゆとり・さとり世代と一緒くたにされ、叱るとふてくされる、褒めれば伸びる、などと安易に決めつけられることをもっとも嫌う。実際には褒められて伸びるタイプも叱られて伸びるタイプもいるのだ。

 大事なことはとにかく相手に関心を持ち、部下をよく観察し、それを言葉や態度にして体現すること。効果的な褒め方や叱り方といったスキルはそれからの話だ。部下の成長を心から願うからこそ、部下を褒めることも叱ることも本気でできるのだ。

部下を元気にする上司が使わないフレーズ

 部下がミスをした時や、自分が望んでいたのと違う行動を部下がした時、「自分だったらこんなミスしないな」「普通そんなことしないよね」「一般的にこういうのは…」などと指導してしまった経験はないだろうか。

 これら3つのフレーズの共通点は「自分のものさし」が基準となっていることだ。「自分のものさし」や軸となる価値観があることは大切だが、部下との関わりにおいて自分のものさしのみを振りかざすと多くの不具合が起こる。

 部下育成を楽しむポイントはたくさんあるが、私は特に「相手と自分は違う人間である」ということを心の底から理解できてから、いちいち相手にイライラすることがなくなった。極力相手の世界観や価値観で物事を見るよう心がけ、部下はどのような価値観や思いを大切にしているのか、どのような理由からこのような行動をしているのか観察し、質問をするのだ。

 上司は自分のことをまずは理解しようとしてくれている、ということが部下に伝わらなければ、知らぬ間に部下との深い溝ができてしまう。部下のものさしで物事を見るように努めることが、部下にとっても、あなた自身にとっても大切なのだ。

 そのために、まずはつい出てきてしまう「自分だったら」「普通は」「一般的に」というフレーズを使わない、と決めてみよう。自分の常識で見てしまっていたな、

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