- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書では、科学的な研究成果はもちろん、アインシュタイン、スティーブ・ジョブズ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アガサ・クリスティなど様々な創造的人物たちの記録から、賢い脳の使い方を紹介。具体的には、思考を深める、頭を切り替える、問題解決やアイデアの発想法、といったテーマで、45ものテクニックが解説されている。
本書で紹介されるテクニックはどれも小さな習慣や工夫だが、だからこそビジネスシーンや日常生活で簡単に実践でき、成果が期待できるものだ。職種を問わず役立つ一冊としてぜひご一読いただきたい。著者は長年広告・テレビ業界で活動し、現在は創造性や潜在能力開発などを教えるクリエイティビティコーチ、作家として活躍する人物。
作家、クリエイティビティコーチ。人が自らのクリエイティブな潜在能力を見出し、実感してもらうことに情熱を注いでいる。クリエイティブな潜在能力を手にすることを追求して、処女作『How To Be Creative(創造的になるには)』では創造的になるプロセスを解明した。
長く広告・テレビ業界で作家として活躍し、これらの業界で多くの名だたる賞を獲得してきた。また、短編映画にもかかわり、英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)新人作家賞にノミネートされた。一時期、独演コメディアンとしても活動した。作家業の傍ら、現在は創造性、ブレインハッキング、ブランドストーリーに関するワークショップを開いている
訳者:村山 寿美子(Murayama Sumiko)
翻訳家。千葉大学薬学部卒業。訳書に『直感のちから 幸せな人生へ導くスピリチュアル・ガイド』(小学館集英社プロダクション)、『新・男と女を生み分ける法』(主婦の友社)、『子どもの成長は、6歳までの食事で決まる』(PHP研究所)、『トラウマ』(講談社)などがある。
第1章 もっと賢く考えるために
第2章 さぁ、頭を切り換えよう
第3章 問題を解決するために
第4章 アイデアを生み出そう
第5章 現状を打破するために
訳者あとがき
要約ダイジェスト
「To Doリスト」より「完遂リスト」を作ろう
「To Doリスト」の困ったところは、これで生産的になるとは考えられないことだ。ものごとをやり遂げたいと心を奮い立たせるとは思えない。そこで必要なのが、「やり遂げたこと」のリストだ。
「To Doリスト」と「完遂リスト」の大きな違いは、それが脳にポジティブな影響を及ぼすかどうかである。「To Doリスト」はいつの間にか「やろうとして、やれなかったこと」リストへと姿を変え、あなたのストレスと不安は増えるばかり。「完遂リスト」は脳の中でポジティブな関連をつくり、新たな結合を生みだしてあなた自身をポジティブに感じさせてくれる。
おすすめは、毎日あなたが進めたい仕事をするたびに「やり遂げたこと」カレンダーをつくること、そして「完遂リスト」の日誌をつけ始めることだ。1日にやり遂げたことを吟味し、同時に毎日「完遂リスト」と日誌に自分が登場するようにしよう。それが習慣になるほど、脳の奥深くに伝達経路がつくられるようになり、それをやめるのが難しいほどになる。
過去の記憶を変えてしまおう
記憶とは、たいへん主観的なものだ。ある出来事は、実際に記憶しているとおりに起きたのものだと私たちは思い込んでいるが、時がたつにつれて、あなたの「無意識」が記憶に何かを付け加えたり引いたりして脚色する機会が増えてくる。
ともあれ、記憶が変えられる、あるいは変わるという事実はいいことである。悪い記憶をそれほど悪くない記憶に、よい記憶はさらによい記憶にしよう。たとえば、学校の全生徒の前で何を言うつもりだったか忘れてしまった人は、のちの人生で大勢の人の前でしゃべることに強い恐怖感を持つようになるかもしれない。
その出来事は変わらないが、その記憶に恐怖とは違う情緒を関連づけることで、記憶が生み出す恐怖を減らすことができる。たとえば、