『人が集まる職場 人が逃げる職場』
(渡部 卓/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 慢性的な人手不足や、雰囲気が悪い、社員のメンタルヘルスに問題があるなど、「人が逃げる職場」は数多く存在する。本書は、「人が逃げる職場」になる原因と対策を多くの事例とともに解説し、そんな職場をなんとか変えようと腐心している経営者やマネジメント層が、「人が集まる職場」をつくるための手引きとなる一冊だ。

 「人が集まる職場」の大きな特徴は、「成長感覚」を持てる職場であることだと著者は言う。現代は単に「ワーク」の現場だけでなく、「ライフ」「ソーシャル」の領域でも成長感覚を得ていく時代であり、それぞれが影響を与え合いながら人は成長していく。そして、それをサポートしてくれるような上司・職場には人が集まるのだ。

 「傾聴と共感を大切にする」「仕事に関係ないことに時間を使う」「成長段階に応じ仕事を振る」など、実践的アドバイスが多数示され、現在マネジメントに悩む人だけでなく、これから上司となる若手世代にもお薦めしたい一冊だ。著者は職場のメンタルヘルス・コミュニケーション対策の第一人者として、産業カウンセラーやエグゼクティブ・コーチを務める人物。

著者:渡部 卓(Watanabe Takashi)
 産業カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ。帝京平成大学現代ライフ学部教授、(株)ライフバランスマネジメント研究所代表。1979年早稲田大学政経学部卒。モービル石油入社後、コーネル大学で人事組織論を学び、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院でMBA取得。1990年日本ペプシコ入社、AOL、シスコシステムズ、ネットエイジを経て、2003年(株)ライフバランスマネジメント設立。職場のメンタルヘルス・コミュニケーション対策の第一人者であり、講演・企業研修・コンサルティング・教育・メディア等における多数の実績を持つ。
 『メンタルタフネス経営』『折れない心をつくる シンプルな習慣』『折れやすい部下の叱り方』(日本経済新聞出版社)、『明日に疲れを持ち越さない プロフェッショナルの仕事術』『はたらく人のコンディショニング事典』(クロスメディア・パブリッシング)ほか著書・監修書多数。
序 章 人が集まる職場には、「成長感覚」の風が吹いている
第1章 「共感」し合える職場
第2章 「人が育つ」職場
第3章 「自然なコミュニケーション」が生まれる職場
終 章 「成長感覚」の共有が一生の宝物になる

要約ダイジェスト

人が集まる職場には、「成長感覚」の風が吹いている

 いわゆる“ホワイト企業”、勤務形態や労働時間・給料・社会保障などの体制がしっかり整っている一流企業であっても、人が逃げるときは逃げていく。これは一体なぜだろうか。世代や業界・業種を問わずあらゆる職場の問題に対時してきた中で、見えてきたのは、「人は働く中で“成長感覚”を得られないと心が折れてしまう」ということだ。

 ここで言う“成長感覚”とは、楽しさや喜び、安心を含んだ心地よい上昇感覚である。「上司に褒められた」「昨日よりも早く仕事をこなせるようになった」「知識やスキルを身につけた」「顧客を喜ばせることができた」「部下や後輩に頼られた」など、自分の中で着実に成長していることを実感できるような、目に見えない経験から得られることが多い。

 その人それぞれの“成長感覚”をサポートできる職場であれば、人が逃げるどころか、次々に集まってくる職場になる。もっと言えば、仕事にかぎらず人生レベルでどう幸福になるか、というところまでサポートできる職場には、自然に人が集まってくるのだ。

不安の時代に必要なのは「共感」の力

 一昔前までは、人は「ワーク(仕事)」の中で成長して一人前になる、という感覚が当たり前だった。しかし価値観は多様化・複雑化し、現代は「ライフ(家庭や趣味など、仕事以外の部分)」と「ソーシャル(社会人サークルやボランティアなど、仕事以外の社会交流)」も加えた3つの枠が重なり合う中で、それぞれ別の場所で別のものから“成長”の手ごたえを感じる時代になっている。

 この「ワーク・ライフ・ソーシャル」という枠からさまざまな“成長の風”が吹いていて、それによってつくられる“上昇気流”こそ、

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