『戦略子育て 楽しく未来を生き抜く「3つの力」の伸ばし方』
(三谷 宏治/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 近年AIやロボットの発展は目覚ましく、5年後の未来すら予測しづらくなった。しかし教育においては、今の子供たちが活躍するであろう20年後を見据えて手を打たなければならない。英語やプログラミング教育の必要性も叫ばれているが、著者がAIに負けない人材に必要だと説くのは、新しいものを生み出す力、そしてそれを支える「試行錯誤力」だ。

 「試行錯誤力」は「発想力×決める力×生きる力」と定義され、本書では、学校や塾ではなく、家庭生活からそれらの力を育むメソッドを公開。自身も3人の娘を育て上げた経験を踏まえ、叱り方・ほめ方、遊びや勉強、ケータイやおこづかいの与え方など、子育てにおいて多くの人が悩むテーマにおける実践的対応テクニックを解説する。

 一読すれば、それらはすべて上記3つの力を育む目的から導かれたものであり、それゆえ大人も含めた様々なシーンに応用可能だとわかる。著者は外資系戦略コンサルティング企業を経て教育の世界に転じ、K.I.T.虎ノ門大学院教授や早稲田大学ビジネススクール客員教授、放課後NPOアフタースクール・NPO法人3Keys理事などを務める三谷宏治氏。

著者:三谷 宏治(Mitani Kouji)
 KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授。東京大学 理学部物理学科卒業後、BCG、アクセンチュアで経営戦略コンサルタントとして活躍。2003年から06年までアクセンチュア戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。06年から教育の世界に転じ、子ども・保護者・教員向けの授業・講演に注力。年間1万人以上と接している。3人娘の父で、小学校PTA会長も務めた。
 現在、KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授の他、早稲田大学ビジネススクール/女子栄養大学 客員教授、放課後NPOアフタースクール/NPO法人3keys 理事、永平寺ふるさと大使を務める。著書多数。2013年に出版された『経営戦略全史』はビジネス書2冠を獲得しベストセラー。親向けの著作として『お手伝い至上主義!』『親と子の「伝える技術」』などもある。
第1章 AI時代に活躍できる人材
第2章 試行錯誤に必要な3つの力
第3章 叱り方・ほめ方
第4章 遊び・おもちゃ・ケータイの与え方
第5章 おこづかいでの自由と制限
第6章 親子コミュニケーションは脱ワンワードと傾聴から
第7章 勉強・読書について
第8章 お手伝い・イベント企画の任せ方
第9章 反抗期を超え自立まで

要約ダイジェスト

AI時代に活躍できる人材とは

 AIは、今後世界のあらゆる分野に進出・浸透していく。だが、まだAIに商品の改良はできても、新商品開発はできない。商品だけでなく組織や売り方つくり方まで新しくするような新規事業はもちろん不可能だ。

 これは、あまりに暖昧で複雑で、似た同じ事例が過去にほとんどないからであり、他の人と違うことを考え、行うことが新商品・新規事業だから当然だ。いろいろ考えてつくって試して、ダメなら次に行く。そういった高速試行錯誤こそが、現代の、そしてこれからの新製品・新規事業開発に求められるやり方である。

 いちいちめげていては務まらず、かついくつものアイデアから実際に試すものをひとつ選ぶ決断力やみんなで決める議論力も必要だ。それを毎日毎日、飽きずに楽しく繰り返すこと…。つまり、これからのAI・ロボット時代に求められるのは、新しい何かを生むための「試行錯誤力」なのだ。

 そしてそれは、発想力(常識に囚われず新しい発見をし、それを探究できる力)、決める力(選択肢を拡げ絞るために、調べて考えることができる力)、生きる力(失敗にめげず楽しく前に進み続けることができる力)の組合せに他ならない。子どもたちのこの3つの力を、家庭という場で鍛えること、それが本書の目的である。

試行錯誤に必要な3つの力

「決める力」の鍛え方

 現在、会社でも家庭でも、若者や子どもたちの「決める力」を奪う方向にばかり進んでいる。「必ず相談しろ」と上司が部下に言うことは、「お前は絶対決めるな」と言っているのと同じだ。そして、相談しに来る子はかわいいので、親は必ずアドバイスという名の答えを与えるが、それは「こうするならあなたに反対しないよ」という事実上の意思決定なのだ。

 どんな考えを持っていっても、必ずよりよい「アドバイス」を示されるので、子どもはその内、面倒になって自分で考えることを止めてしまう。だから、与えるべきものは答えではなく、意思決定のための方法だ。そしてそれがちゃんとなされているか、チェックするのだ。

 ものごとを「決める」とは、選択肢を挙げて、そこからひとつに絞ることに他ならない。ちゃんと検討に値する選択肢を持つためには、いくつもの手法があるが、子どもなら「ちゃんと調べる」だけで十分だ。まずは、

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