- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者によれば、クレームは「処理する」ものではなく「対応する」ものである。この捉え方の転換や、「理不尽なクレームは少ない」といった冷静な事実認識がまず重要だという。本書ではさらにクレーム対応の5ステップに沿って、相手の心をつかみ、「ファン」や「ロイヤルカスタマー」へと変えていく手法を余すところなく解説する。
著者はこれまでお客様相談室の責任者として 2,000件以上のクレーム対応を行い、現在は「怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタント」として活躍する人物。悪質クレームの見極め方など、営業やマーケティング観点からも参考になる内容が多く、クレーム対応はもちろん、ビジネスコミュニケーション力をレベルアップさせたい方はぜひご一読いただきたい。
怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタント。一般社団法人日本クレーム対応協会の代表理事。日本メンタルヘルス協会基礎心理カウンセラー。学生時代は関西を拠点にタレントとして活動。しかし、あるパーティの司会でスポンサー名を間違えるという大失態を犯し、芸能界を引退。その後、サラリーマンに転身し、企業のコールセンター、お客様相談室で責任者として2,000件以上のクレーム対応に従事。一時はクレームに対するストレスで出社拒否状態になりながらも「クレーム客をお得意に変える対話術」を確立する。
現在は独立し、クレームで困っている企業などのために全国でコンサルティング活動を展開し、具体的なクレーム対応法をアドバイスしている。圧倒的な経験知と人を元気にするトークが口コミで広がり、年間200本以上の講演・研修にも登壇する。著書に『「怒るお客様」こそ、神様です!』(徳間書店)、『心をつかむ!誰からも好かれる話し方』(学研パブリッシング)などがある。
第2章 大火事を招く!アウトなクレーム対応―絶対やってはダメなNG対応
第3章 最低限知っておくべき火消しのルール―怒りを鎮めるための基本原則
第4章 心をつかんで切り返す「一流の技法」―主導権を握るための心構えとテクニック
第5章 大ピンチでも何とかしてしまう「超一流の技法」―天使と悪魔の見極め方
要約ダイジェスト
理不尽なクレーマーは会社がつくりだす
私のところには、様々な企業や店舗の責任者の方から、「最近、理不尽で変なクレームが増えて、ホント困っています」というような相談がたくさん寄せられる。だが、実は面倒なことになって本当に困っているのは、お客様のほうだ。
ほとんどのケースで、理不尽なクレーマーは対応者側がつくり上げていると言っても過言ではない。理不尽なクレームが増えたのではなく、初期対応で失敗したことによって、最初はそれほど怒っていなかったお客様が怒りを増幅させているのだ。
クレームは、お客様から「こうだったら、満足したのに…」「こういうふうにしてくれたら、次も利用したのに…」と教えてもらっているのと同じだ。つまり、クレームはお客様からの「アドバイス」「改善のヒント」である。
新規で商品やサービスを利用したお客様は、クレームをほとんど言わない。その商品やサービス、会社や店舗などに対してそれほど期待がないため、「こんなもんか」と考えて黙って立ち去っていくからだ。クレームが起こるのは、“お客様からの大きな期待”があるからなのだ。
腹が立つクレームも、