『インド・シフト―世界のトップ企業はなぜ、「バンガロール」に拠点を置くのか?』
(武鑓行雄/著)

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 近年、世界トップ企業がこぞってインドに大規模拠点を置いているのをご存じだろうか。マイクロソフト、グーグル、アマゾンなどの巨大企業が、インドのシリコンバレーと呼ばれる「バンガロール」に戦略的に進出しているのだ。バンガロールで今何が起こっているのか?インドが持つ大きな可能性を徹底的に解き明かしたのが本書である。

 今やインドのIT企業群の実力は飛躍的に向上し、開発の下流工程だけでなく、上流工程まで担うようになった。しかもインドには今後のイノベーションにつながる素地が多くあり、インドのIT企業との向き合い方次第で日本企業の明暗が分かれるといっても過言ではないという。だが多くの日本企業はそれを知らず、積極的な進出はほとんどない。

 本書ではインドと世界のIT企業の動向、インド発のスタートアップやイノベーション、人材輩出国としてのインド、日本企業の進出戦略など、あらゆる角度から「インド・シフト」の潮流に迫る。著者は元ソニー・インディア・ソフトウェア・センター社長で、現在もインド IT業界団体の日本委員会委員長として日・印企業の連携を推進する人物。

著者:武鑓 行雄(Takeyari Yukio)
 元ソニー・インディア・ソフトウェア・センター社長。ソニー株式会社入社後、NEWSワークステーション、VAIO、ネットワークサービス、コンシューマーエレクトロニクス機器などのソフトウェア開発、設計、マネジメントに従事。途中、マサチューセッツ工科大学に「ソフトウェア・アーキテクチャ」をテーマに1年間の企業留学。2008年10月、インド・バンガロールのソニー・インディア・ソフトウェア・センターに責任者として着任。約7年にわたる駐在後、2015年末に帰国し、ソニーを退社。帰国後もインドIT業界団体でもあるNASSCOM(National Association of Software and Services Companies)の日本委員会の委員長(Chair)として、インドIT業界と日本企業の連携を推進する活動を継続している。
 慶應義塾大学工学部電気工学科卒業、および大学院工学研究科修士課程修了。2011年6月から2013年5月までバンガロール日本人会会長を務める。2014年1月、電子書籍『激変するインド IT業界 バンガロールにいれば世界の動きがよく見える』(カドカワ・ミニッツプック)を出版。
はじめに 世界をリードするインド IT業界とイノベーションの新潮流
第1章 なぜ世界のトップ企業は「バンガロール」に拠点を置くのか
第2章 インドのシリコンバレー、バンガロール
第3章 激変するインドIT業界
第4章 インドのスタートアップ
第5章 グローバル人材輩出国インド
第6章 インド発・世界的イノベーションの可能性
第7章 IT分野での日印連携に向けて

要約ダイジェスト

インドのシリコンバレー、バンガロール

 「インドにグローバル戦略拠点や研究開発拠点を置き、社内のトップ人材や資金といったリソースを徹底的に投入する。そして、インドの高度 IT人材とともに、インドから世界的イノベーションを生み出していくこと」。これが本書で言う「インド・シフト」である。

 ここ数年、世界のトップ企業は軒並みこのシフトを進めており、しかもその勢いは増すばかりだ。背景には、インド IT業界の急成長と激変がある。その中心地が“インドのシリコンバレー”と呼ばれる南インドの都市「バンガロール」だ。マイクロソフト、グーグル、アマゾン、オラクルなど、ソフトウェア・インターネット・IT機器分野のそうそうたる大企業が拠点を置いている。

 驚くのは、その多くが本国以外では最大規模の開発拠点を構えていることだ。数千人のスタッフがいるのは当たり前で、IBMやアクセンチュアなどはインド全体で 10万人を超えるスタッフを擁するほどだ。

 バンガロールは、1990年代からインドの IT産業の中心地として発展してきたが、世界的に脚光を浴びるようになったのは、オフショア開発拠点としての側面だ。だが現在のバンガロールは、オフショア開発拠点としてだけではなく、最先端のテクノロジーを用いた戦略開発拠点へと脱皮しつつある。

 インドではスタートアップブームが起きており、スタートアップ企業の数は 2016年時点で 4,700~4,900社で、アメリカ、イギリスに次ぐ、世界3位にまで増えている。2010年の時点では 480社ほどであり、

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