- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書はそんな「うらやましい」と思う心をコントロールし、「自分の良さ」に気づくための処方箋となる一冊だ。「うらやむ」を気持ちを自分の成長につなげる、「結果」よりも「過程」を大切にする、「劣等感」をバネにするなど、忘れがちだが本質的な人間心理への理解や、日常生活におけるちょっとした発想転換のヒントが多数解説されている。
著者は産業カウンセラーで著述家としても『「折れない心」をつくるたった1つの習慣』など多くのベストセラーを持つ植西 聰氏。古今東西の思想家や賢人の言葉、心理学、仏教や禅といった東洋思想に基づいて説かれる考え方と方法論からは、充実した人生を生きるための普遍的な知恵を学ぶことができるはずだ。
東京都出身。著述家。学習院大学卒業後、資生堂に勤務。独立後、人生論の研究に従事。独自の『成心学』理論を確立し、人々を明るく元気づける著述活動を開始。1995年、「産業カウンセラー」(旧労働大臣認定資格)を取得。著書多数。
第2章 人と自分とを見比べるから、人がうらやましくなる
第3章 人をうらやましがるよりも、自分らしく生きる
第4章 人をうらやましく思うより、自分の良さに気づく
第5章 劣等感が「うらやましい」をつくり出す
第6章 「うらやましい」で、人間関係が壊れていく
第7章 お金のことで、人をうらやましく思わない
第8章 「うらやましい」から虚しい欲が生まれる
第9章 うらやましく思う前に、自分の土台をしっかりつくる
要約ダイジェスト
「うらやましい」から「憎らしい」が生まれる
人を「うらやましい」と思う気持ちを持つことは、必ずしも悪いことではない。「うらやむ」という言葉を辞書で調べると、次の2つの意味がある。①他の人が恵まれていたり、自分よりもすぐれていたりするのを見て、自分もそうありたいと思う。②他の人の境遇や資質が自分よりもすぐれているのを見て、それを妬(ねた)ましく思う。
①のように「自分もそうありたいと思う」という気持ちを持つことができれば、「うらやましい」という感情を、努力の原動力にして自分の成長につなげていける。しかし、②のように「妬み」が生じてしまうと、そのために「自分の心が病む」という結果になってしまうのだ。
「妬み」とは、人をうらやましく思い、同時に憎らしく思うことだ。「うらやましい」から生じる「妬ましい」に振り回されてしまう人には、「自己愛」が強いという共通点がある。「自己愛」とは、仏教の考え方で言えば、自分自身への執着心の一つだ。だから、自分自身への執着心をなくすことが、この問題を解決する一つのヒントになる。
つまり、何か自分が無我夢中になれるものを見つけ出すことだ。「無我」とは執着心をなくし自分自身をも忘れること、「夢中」とは、一つのことに熱中して、余計なことを考えない、