- 本書の概要
- 著者プロフィール
経営において大切なことはシンプルで、それを具体的に実行できているかが勝敗を分ける。本書がほかの書籍と違うのは、「心得」「行動力」「分析力」に加えて、金融機関との付き合い方を具体的に述べている点だ。一寸先も読めない世の中では、金融機関との良い付き合い方を身につけていくことがリスク回避の一つの方法となるはずだ。
著者は阪神大震災を乗り越え、140億円もの負債を完済し会社を再生した経験に基づき、これまで 1,000人以上の経営者に経営のアドバイスを行ってきた人物。経営を成功、再生させるきっかけとなる一冊として、経営の悩みを抱えている方はもちろん、経営が順調な方もリスク対策観点からぜひご一読いただきたい。
1960年、神戸市生まれ。“会社と家族を守る”経営アドバイザー。株式会社Jライフサポート代表取締役。負債140億円を背負った会社を自らの力で再生し、完全復活させた経験に基づき、悩める中小企業経営者に真の会社経営、会社再生法を伝授している。机上の空論ではなく、自らの体験から得た実践的な手法は多くの経営者から信頼を得ており、特に対金融機関との交渉法が、多くの顧客から評価されている。著書に『あなたの会社のお金の残し方、回し方』(フォレスト出版)等がある。
第1章 社長の基本1 社長の心得
第2章 社長の基本2 社長の行動力
第3章 社長の基本3 社長の分析力
第4章 社長の基本4 社長の交渉力―金融機関との上手なつき合い方
あとがきにかえて
要約ダイジェスト
どんなことがあっても生き残る、と腹を決めている
経営者にとって一番大事なことは、「どんなことがあっても会社はつぶさない」と腹を決めていることだ。中小企業経営者にとって、会社がつぶれるイコール人生の終わり。会社を経営することは、それだけのリスクを背負うということもしっかり認識しておくべきだ。
私のところに相談にこられる方で、かなり切羽詰まった状況であるにもかかわらず、「最後は自己破産すればいい、と腹はくくっています」などとあっけらかんという方がいる。こういう方は、思い違いをしているのではないだろうか。破産から復活して事業を大成功させた事例はほとんどない。今の日本では、それほど制度的、精神的にきついものだと認識するべきだ。破産してから後悔する経営者は多いのだ。
現在、企業がおかれている状況はかつてないほど厳しい。起業した会社のうち、5年後、存続しているのはたった 15%程度で、残りの 85%前後はつぶれるか、自主廃業に追い込まれる。だが、どんな苦境に立っても、経営者が「絶対に生き残っていく」と腹を決めていれば、