『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』
(津川 友介)

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  • 目次
 テレビや本、インターネットといったメディアには、日々膨大な量の「○○が健康に良い」といった健康情報が流されている。だが本書によれば、これらの情報のほとんどは「科学的根拠のない健康情報」である。すなわち、ある食品や成分が健康に良いという研究結果がごく少数あるだけのものや、個人の経験談に過ぎないものが多いのだ。

 本当の意味で「科学的根拠がある」と言えるのは、質の高い研究論文、それも複数の論文で同様の結果が証明されているものだけだ。本書では、そうした複数の研究論文で体に良いことが証明された食事を解説する。それは、精製された炭水化物(白米、うどんなど)、牛肉・豚肉などの摂取を減らし、精製されていない炭水化物(蕎麦、玄米、全粒粉のパンなど)、野菜・果物、魚などを増やしていくというシンプルなものである。

 これらは、複数の客観的なデータから導かれる統計的な事実であり、今後の研究によって結論が覆される可能性は極めて低い。それゆえ間違いのない「究極」の食事と言えるのだ。他にも、「成分」ではなく「食品」が重要、オーガニック食材の功罪、など有益なアドバイスが説かれ、人生 100年時代における健康長寿のために必読の内容となっている。著者は医師で聖路加国際病院、ハーバード大学などを経て、現在は UCLA助教授。

著者:津川 友介(Tsugawa Yusuke)
 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授。東北大学医学部卒、ハーバード大学で修士号(MPH)および博士号(PhD)を取得。聖路加国際病院、世界銀行、ハーバード大学勤務を経て、2017年から現職。共著書に『週刊ダイヤモンド』2017年「ベスト経済書」第1位に選ばれた『「原因と結果」の経済学:データから真実を見抜く思考法』(ダイヤモンド社)。ブログ「医療政策学×医療経済学」で医療に関する最新情報を発信している。
第1章 日本人が勘違いしがちな健康常識
第2章 体に良いという科学的根拠がある食べ物
第3章 体に悪いという科学的根拠がある食べ物
特別編 病気の人、子ども、妊婦にとっての「究極の食事」

要約ダイジェスト

科学的根拠のない健康情報

 残念なことに、日本のテレビやインターネット、本屋の健康本コーナーで目にする健康情報の多くは科学的根拠にもとづいておらず、間違ったものも多い。「科学的根拠のない健康情報」とは、一見正しそうな以下のようなものが該当する。

・炭水化物は健康に悪く、食べると太る。
・β力口テンやリコビンは健康に良い。
・果汁 100%のフルーツジュースは健康に良い。

 まず「炭水化物は健康に悪く、食べると太る」という考え方は正しくない。炭水化物の中にも「健康に良く、食べてもあまり太らない炭水化物」「健康に悪く、食べると太る炭水化物」があるからである。良い炭水化物とは、玄米や蕎麦のように精製されていない茶色い炭水化物で、悪い炭水化物とは、白米やうどんのように精製されている白い炭水化物だ。

 また、βカロテンを含んだ緑黄色野菜そのものは病気の予防に役立つと考えられているものの、緑黄色野菜からβカロテンを抽出しサプリメントとして摂取すると、逆にがんのリスクや死亡率が上がることが、複数の研究によって明らかになっている。同様に、抽出されたリコピンを摂取することで病気を予防したり死亡率を下げたりするということを示した研究はない。

 そして「果汁 100%のフルーツジュースが健康に良い」という考え方も正しくない。実はフルーツジュースと加工されていない果物とでは、

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