- 本書の概要
- 著者プロフィール
「死んでいる会社」とは、目先の利益や経営数字に追われ、組織が熱を帯びておらず、社員の心が新たな価値創造に向かっていないような会社を指す。問題の本質は「創造」ではなく、「新陳代謝」が極めて不十分で、老廃物や贅肉が溜まっていることにある。「創造+代謝」こそ「生きている会社」の必須条件であり、新たな価値創造への道なのだ。
本書では、以上の問題意識から、「会社はどうあるべきか」「生きている会社になるには何が必要か」「『生きている会社』をつくるにはどうするか」などを考察、明快な処方箋を示す。欧州最大の経営コンサルティング会社・ローランド・ベルガーの日本法人会長を務め、30年以上の豊富なコンサル経験を持つ著者の知見を凝縮した本書は、規模の大小を問わず「生きている会社」を目指す経営層やマネジャー必読の一冊だ。
ローランド・ベルガー日本法人会長。早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社を経て、現職。経営コンサルタントとして、戦略策定のみならず実行支援を伴った「結果の出る」コンサルティングとして高い評価を得ている。
ローランド・ベルガーワールドワイドのスーパーバイザリーボード(経営監査委員会)アジア初のメンバーに選出された。株式会社良品計画社外取締役。SOMPOホールディングス株式会社社外取締役。日新製鋼株式会社社外取締役。株式会社マザーハウス社外取締役。株式会社ドリーム・アーツ社外取締役。コープさっぽろ有識者理事。
『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』(東洋経済新報社)、『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)などベストセラー著書多数。
第1部 会社はどうあるべきか
第1章 「会社とは何か」を明らかにする
第2章 創造的新陳代謝
第3章 「会社の構造」を正しく理解する
第1部 エッセンス
第2部「生きている会社」になるには何が必要か
第4章 「生きている会社」の必要条件
第5章 「生きている会社」は「熱」を帯びている
第6章 「生きている会社」は「理」を探求している
第7章 「生きている会社」は「情」に充ち溢れている
第2部 エッセンス
第3部 どうすれば「生きている会社」をつくることができるか
第8章 実践すべき「10の基本原則」
第9章 「突破するミドル」をつくる
第10章 経営者の仕事とは何か
第3部 エッセンス
おわりに 年老いた「生気のない会社」はもういらない
要約ダイジェスト
「生きているか」「死んでいるか」が問題だ
30年の長きにわたって、経営コンサルタントをやってきたが、いまだに「経営とは何か」「会社とは何か」がわかったとは言い難く、知れば知るほど、わからなくなってくる。だが、わかったことが1つだけある。それは、会社は「生きていなければならない」ということだ。
会社を数字だけで「いい」「悪い」と安易に判断してはいけない。最も重要なのは、その会社が「生きている」か「死んでいるか」だ。「生きている」とは、単に存在することではない。「生きている会社」とは、会社全体が大きな熱を術ぴ、理詰めで行動し、新たな創造に向かって社員たちの心が奮い立っている会社だ。
GAFA(ガーファ)と呼ばれるアルファベット(グーグル)、アップル、フェイスブック、アマゾンなど米国西海岸のIT企業が躍進しつづけるのは、たんに先見性や高い技術力だけが理由ではない。彼らは世界のどの会社よりも挑戦をしつづけ、新たな価値を創造している。
彼らは、「デーワン(1日目)」の初々しくもフレッシュな気持ちと行動を忘れずに、「生きている会社」でありつづけようと、懸命に努力をしている。しかし、それだけでは足りない。実は、「生きている会社」でありつづけるための鍵は「新陳代謝」にある。
私たちは、「つくる」ことばかりに目が行きがちだが、