『Real Innovation Mind』
(狩野国臣/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 「イノベーション」の重要性は多くの企業で認識されているが、人手不足や開発資金の問題などで、特に中小企業ではなかなか新製品開発に着手できないことも多い。だが実は、イノベーションの成功事例とされる iPhoneも、特に革新的技術が使われていたわけではない。つまり技術ではなく、ユーザー視点で新市場を作りだすことがポイントなのだ。

 それゆえ、「技術の変遷」や「ニーズの連鎖」を通してみれば、おのずと次にイノベーションを起こすべき場所やサービスが見えてくる。本書は、そうした「身の丈にあった」イノベーションを生み出すため、著者が編み出した「利己的なチップの法則」や人間の根源的ニーズからイノベーションを探る手法を公開した一冊だ。

 本書ではさらに、過去 70年間にコンピュータ(チップ)業界で起こったイノベーションの歴史や近未来の社会の姿、第4次産業革命、人工知能、少子高齢化、セキュリティ問題、働き方改革など最近の重要テーマの本質も解説。イノベーションや経営停滞を打破するヒントを求める経営層はぜひご一読いただきたい。著者は長年 IT業界に身を置き、現在はコンサルタントとして技術予測や製品戦略に携わる人物。

著者:狩野 国臣(Kano Kuniomi)
 株式会社ベーネテック代表取締役。早稲田大学理工学部卒業後、大学院に進学。在学中に、当時最年少で中小企業診断士の資格を取得。学業修了後は大手精密機械メーカーにて35年間、製品開発や研究開発に従事する。その間、イノベーションに必要な技術予測や「ニーズの連鎖」等を意識した製品戦略を立案し、それを実現するためにプロマネとして数々の開発プロジェクトを成功に導く。その間に習得したのがイノベーションの方向性を読み解くための「利己的なチップの法則」で、それが本書を執筆するきっかけとなった。
 その後、経営トップの参謀として全社を俯瞰した様々な調査活動、推進活動を行い、政界、財界、学会のリーダー1000人以上とお会いするなかで、成功企業にはパターンがあることを発見。2015年に株式会社ベーネテックを設立し、イノベーションコンサルティングパートナー(イノコンパートナー®)として経営コンサルティングを始める。「身の丈に合ったプチ・イノベーション(プチイノベ®)から始めよう!」を信条に、経営者のパートナーとして様々な活動を推進中。
はじめに 踊り場で悩める企業の皆様へ
第一章 イノベーションの波を捕まえる方法
第二章 コンピューターの進化は未来を語る
第三章 今から起こすイノベーションのヒント
第四章 7つのテーマから情報へのグリッド力を磨く

要約ダイジェスト

踊り場にぶつかった企業の3つの選択肢

 踊り場にぶつかった悩み多き経営者は、①とにかく現状を維持しようとする、②仲介業などにより更に規模を拡大する、③仲間とともにさらなるイノベーションを模索し、高付加価値経営の実現を図る、からいずれかの選択肢を選ぶようだ。

 ①を選んでしまうと、変化のスピードが早くなっている現代のビジネスの世界では、アッという間にライバルに差をつけられ、取り返しのつかないことになりかねない。また②のような、付加価値の低いビジネスは景気に左右されやすく、また単なる仲介業も生き残りは難しい。つまり、賢明な経営者に残された選択肢は③しかない。

 ここで言う「高付加価値」とは、少ない変動費で、高い売り上げをあげることを意味する。そして、それを実現するためにはイノベーションが欠かせない。イノベーションとは、必ずしも技術革新や新しい発明を伴うものではなく、「誰もやっていない商品・サービスを提供することで、顧客に新しい価値を提供し、新市場を切り開く」ことだ。

 反対に、イノベーションを起こさず、既存の市場にしがみつき、限られたパイを既存のサービスで奪い合う状況になると、価格競争に巻き込まれ、かつ広告宣伝費等が上昇してしまう。つまり、縮小した利益を決まったプレイヤー同士でとりあうという、まさにレッドオーシャンでの戦いになってしまうのだ。

イノベーションを起こす流れを読む

 イノベーションを現実のものにするためのイメージ作りには、コンピューター史の流れやそれを支えてきたソリューション史を振り返り、どのように潜在的ニーズが顕在化して機械やサービスが選好されてきたかという「ニーズの連鎖」を把握する習慣を持つことが大切だ。

 なぜなら、

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