『5秒ルール ―最高の結果を出す人がやっている思考・選択・行動50の習慣』
(千田琢哉/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 近年、新規事業開発において、コストと時間をかけずに最低限の試作品を顧客にテストし、仮説検証を繰り返して改善するリーンスタートアップという手法が浸透しつつある。同じように、優秀なビジネスパーソンや成功者には即断即決と素早い方向転換を得意とする人が多い。速く決めればそれだけ速く動けるし、仮に失敗しても軌道修正も速くできる。つまり人より多くのトライ&エラーを繰り返せるのだから、成功確率は上がるのだ。

 本書はそんな成功者たちが実践する即断即決、即行動の“5秒ルール”の考え方と習慣術を具体的に解説した一冊だ。著者曰く、人生を決めるのは努力や継続力ではなく、方向性だ。方向性が間違っていれば、努力すればするほど人生は望まない方向に進んでしまう。そして、方向性は“5秒以内”で定めるべきだという。

 5秒あれば、判断や選択、軌道修正、さらには休息や切り替えなどあらゆる行動をとることができる。即断即決や行動力に苦手意識がある方はぜひご一読いただき、本書の内容を一つでも実践していただきたい。著者はのべ 3,000人を超えるエグゼクティブや成功者、1万人を超えるビジネスパーソンとの対話によって得た知恵を発信し続ける文筆家。

著者:千田 琢哉(Senda Takuya)
 文筆家。愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。東北大学教育学部教育学科卒。日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。コンサルティング会社では多くの業種業界におけるプロジェクトリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。のべ 3,300人のエグゼクティブと 10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって得た事実とそこで培った知恵を活かし、“タブーへの挑戦で、次代を創る“を自らのミッションとして執筆活動を行っている。
プロローグ
Chapter 1 できる人はなぜすぐやるのか?
Chapter 2 5秒でできる選択と行動
Chapter 3 自分だけの5秒ルールをつくる
Chapter 4 5秒で人間関係を整える
Chapter 5 5秒で感情をコントロールする

要約ダイジェスト

とりあえず5秒続けるとモードが切り替わる。

 もしあなたがやる気が出なくて悩んでいたら、早くやることだ。「やろう」と思ったら、何も考えずに5秒以内にやる。「やろう」と思い立ってから5秒以内にやると、お手洗いにも行けないしコーヒーも飲めないが、それでいい。わざわざお手洗いに行ったり、のんびりコーヒーを飲んでいたりするから、いつまでもやる気が出ずに始められないのだ。

 騙されたと思って、とりあえずどんなことでもいいから、5秒続けてみることだ。とりあえず本を数行読んでみると、もうすっかり読書モードに切り替わる。とりあえずパソコンで文字を打ち込むと、仕事モードに切り替わる、とりあえずストレッチをすると、運動モードに切り替わる…、最初は気が向かないことでも、5秒なら誰でも我慢することができるだろう。

 これまで私が出逢ってきたビジネスエリート、勉強エリート、スポーツエリートたちにはこんな本音が多かった。「好きというわけでもなかったけど、他にやることもなかったし評価されることもなかったから、幼い頃からそれをやることが当たり前になっていただけ」、そんな彼らは“とりあえず5秒”で、モードを切り替えていた。とりあえず5秒を本能レベルまで刷り込めば、人生は勝ちだ。なぜならいつでもどこでも集中できるのだから。

すぐにやるのは、すぐに軌道修正できるから。

 すぐにやると失敗することもある。それはすぐにやったから失敗したのではなく、遅くやっても失敗したのだ。この世に絶対に失敗しない生き方など存在せず、すぐにやって失敗したほうが断然いいことが多い。なぜなら軌道修正する時間が残されているからだ。

 私もこれまでに数え切れないほどの大失敗をやらかしたが、致命的になったことは一度もない。その理由は簡単で、いつも失敗した瞬間に軌道修正をし続けてきたからだ。軌道修正したことがさらに間違いであることがわかれば、めげることなく何度でも軌道修正すればいい。

 最終的に方向性さえ間違わなければ、人生は上々である。ただし軌道修正するためのゆとりは、すぐにやることでしか生み出すことはできない。この世で運を人工的に高める方法があるとすれば、すぐにやることなのだ。

すぐにできる人は、普段から考えている人。

「すぐにやる」と聞くと、何も考えていないように感じるかもしれないが、それは違う。普段から考えているからこそすぐに動けるのだ。私の場合、

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