『「働きがい」の伝え方』
(海野忍/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 ビジネスパーソンの多くは、1日の大半を過ごす会社で生き生きと働きたいと願っているし、経営者も若手社員や中間管理職にモチベーション高く働いてほしいと思っている。組織が大きくなっても、そうした組織であり続けるにはどうしたらよいのか。NTT入社後 40年以上のサラリーマン生活を送り、関連会社社長などを歴任してきた著者が見つけたその1つの答えは、経営者やマネジメント層が、社員や部下に向けて「働きがい」を伝え続けることだ。

 本書は 著者が NTTデータの事業本部長時代から書き始めた社内ブログが基となっており、楽しく「働きがい」を感じながら働くための具体的な考え方や行動を伝授するものだ。週1回、著者が 12年間にわたって書き続けた400近い記事のうち 114編が選び出され、仕事の様々な場面で実践的かつ心に響く言葉が並ぶ。

 数多くの事例が盛り込まれているため、自社や自部署で抱える問題に照らし合わせて読むことができ、「ビジネスの知識」「ビジネスの実践」「マネジメント」「マーケティング」「外(他社)に学ぶ」という章立てで各項目が独立しているので、気になったところから読み進めれば、思わず膝を打つ内容が見つかるはずだ。部下のモチベーションアップや上司の動かし方に悩む方、事業の停滞を打開するヒントを探している方などはぜひご一読いただきたい。

著者:海野忍(Umino Shinobu)
 1952年生まれ。1975年東京大学工学部電子工学科を卒業後、日本電信電話公社(現 NTT)に入社。データ通信事実本部(現 NTTデータ)にて国立病院を対象としたシステムの設計・構築に従事。1982年新潟県へ施設課長として赴任し、電気通信設備管理を担当。1987年には、スイス・ジュネーブにある国際機関 ITU(国際電気通信連盟)に勤務。1988年米国・MIT(マサチューセッツ工科大学)に留学し、翌年に MBA取得。その後、NTTアメリカにて国際調達問題を担当し、1990年より、米国・ボストンでベンチャーキャピタル事業に従事。
 1992年に帰国し、NTTデータにて産業システム事業部、人事部等を経て、経営企画部長、公共地域事業本部長(地方自治体、医療業界を担当)、ビジネスソリューション車業本部長(ネットワーク、データセンター等を担当)を歴任。2008年 NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長。2012年 NTTコムウェア代表取締役社長を経て、現在は取締役相談役。東京大学工学部、筑波大学ビジネススクール等において講師を務め、その他講演も多数。著書に「ビジネスマトリクス経営」(クロスメディア・パブリッシング)がある。
はじめに
第1章 ビジネスの知恵
 心がまえについて
 コミュニケーションについて
 社員生活のヒント
第2章 ビジネスの実践
 ビジネスの捉え方
 数値の取り扱い
 ビジネスの効率化
第3章 マネジメント
 組織について
 マネジメントについて
 人材育成について
 ビジネス戦略について
第4章 マーケティング
 市場の原理
 商品のつくり方・売り方
第5章 外に学ぶ
 他社に学ぶ
 海外に学ぶ
おわりに

要約ダイジェスト

仕事から学ぶ

 大学でお世話になった先生から、「卒業して就職したあと、大学に遊びにくる人には、仕事が難しくて辛く、ついていけないという不安を訴える人と、仕事が簡単過ぎて実力を発揮できないという不満を訴える人という2つのタイプがいる」という話を伺った。

 しかも、それぞれの上司に話を聞くと、前者は「実力も能力も高いので育成するために難しい仕事をさせている」と答え、後者は「自分が思っているほど実力がないので、まず基礎的な仕事を覚えてもらっている」と答えることが多いという。つまり、自分が考えていることと反対だということだ。

 仕事が辛い、難しいと不安なら、それは人生の訓練だ。上司や周囲はあなたの飛躍を期待している。仕事が単純でおもしろくないと不満なら、その仕事を半分の時間、半分の費用で実施できないだろうか。上司や周囲は、あなたがもっと創造力を働かせることを期待している。こう考えると、どんな仕事にも学ぶことがあり、チャレンジする楽しみがあるはずだ。

創造力と判断力

 仕事のエンジンになるのは、「創造力」と「判断力」だ。その人の置かれている位置によって両者のバランスは異なる。新入社員の方は、もちろん学習が多いが、それは主に「創造力」を養うためだろう。上位になると部下が創造して提案してきた案を判断することが多くなる。

 しかし、あまりに判断力ばかり働かせると、なんでも部下にやらせて自分では何も考えなくなってしまう。上位の方でも大きな方針については「創造力」を働かせる必要があるのだが、これがないと部下の方々が迷うことになる。

 逆に、若いときの延長で「創造力」ばかりを重視していると、部下の提案にダメ出しばかりしてしまいそうだ。それぞれの位置での最適バランスを取るのは大変だが、それがうまくできると組織として大きな力が出せる。

悩む時間

 重大な決定を下す際には、誰でも悩むものだ。しかし、いつまでも悩んでいたのでは、決断を下すことができず、ビジネスチャンスを逃してしまう場合も出てくる。「いつまで悩むか」の目安として、

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