『小さな企業が生き残る』
(金谷勉/著)

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 どんな会社にも、必ず「強み」がある。自社の強みを活かした商品開発のアイデア、デザイン、販売をサポートすることで、経営不振にあえぐ中小企業の再生に取り組む著者は、そう断言する。本書は、その成功事例や生き残りの「手」を解説し、「地域×技術×デザイン」の視点から、日本のものづくりの再生方法を探った一冊だ。

 眼鏡材料商社、陶磁器原型職人、建具製作所、竹工芸職人など、廃業や倒産のピンチから復活した町工場や職人たちはどうやって自らの強みを再発見し、コト(技術)・モノ(意匠)・ミチ(販路)の一連をデザインしていったのか。一読すれば、人不足や資金難、自社商品開発などに悩む企業の即戦力となるノウハウを学ぶことができるはずだ。

 著者の金谷勉氏は、デザイン会社「セメントプロデュースデザイン」を設立し、ユニクロや星野リゾート、コクヨの企画ディレクションなどに携わるかたわら、2011年から全国各地の町工場や職人との協働プロジェクト「みんなの地域産業協業活動」を開始。京都府「京都職人工房」講師、東京都墨田区「すみだ地域ブランド戦略」コラボレーターなどを務め、自社プロダクトの開発・販売も行うなど、その活動が注目されている人物。

著者:金谷 勉(Kanaya Tsutomu)
 1971年大阪府生まれ。京都精華大学人文学部を卒業後、企画制作会社、広告制作会社を経て 1999年にデザイン会社「セメントプロデュースデザイン」を大阪で設立。企業の広告デザインや商業施設のビジュアル、ユニクロ「企業コラボレーションTシャツ」や星野リゾート、コクヨの企画ディレクションなどに携わる傍ら自社商品の開発・販売を行う。
 2011年からは、全国各地の町工場や職人との協業プロジェクト「みんなの地域産業協業活動」を始め、つながった工場や職人は 500を超す。経営不振にあえぐ町工場や工房の立て直しに取り組む活動は、テレビ番組『ガイアの夜明け』や『NHK WORLD』で取り上げられる。各地の自治体からの勉強会や講演の依頼も多く、年間 200日は地方を巡り、京都精華大学や金沢美術工芸大学でも講師を務める。
はじめに 下請けの小さな町工場や職人でも、生き残る「手」はある
全国で関わった「生き残り」あの手この手
第1章 倒産・廃業のピンチから、生き残りの「手」を見つけた
第2章 会社や家業をつぶさず、生き残るためにとるべき「その手」
第3章 自分を知り、自分の強みを見つける「8ステップ」
第4章 下請けの小さな町工場や職人が未来を切り拓くには?
おわりに 僕らは、人の「キモチづくり」をしているのかもしれない

要約ダイジェスト

下請けの中小企業でも、生き残る「手」はある

 僕はデザイン会社を経営しているが、1999年に会社を始めたころは、「ポスターをつくってほしい」「パンフレットを刷新したい」といった、デザインする内容がはっきりした仕事が多かった。ところが次第に、依頼主から寄せられる注文が変わってきた。

 今の状況でどう動くべきなのか、なにを目指すべきかを相談される機会が増え、おのずとデザインする対象や事柄が広がってきた。時には、なにもないところからともにモノをつくり、コトを起こし、売るためのミチ(流通)までを考え、実行することもある。気がつくと、相談を持ち込んでくる先は、下請けの零細企業や町工場の経営者、それに伝統工芸の職人たち。

 町工場や職人の仕事現場に通ってきて思うのは、どんな会社でも必ずなにかしらの「強み」があることだ。そして、技術や技法、工場や工房にある設備や道具、扱う素材、取引先の口座、立地や環境…、自分が持っている武器を知っておけば、生き続けるための「手」を探すことができるのだ。これまで町工場や職人と一緒に仕事をしてきた中で、肝だと感じた生き残りの「その手」は以下のようなものだ。

ビジネスの景色を変えて、いい風が吹く市場に新規参入する

 あなたの属する業種業界が厳しい状況を迎えているなら、本業だけに固執するのではなく、少し「ビジネスの景色」を変えてみるのも手だ。つまり、固定化していた考え方、概念を緩くして広げ、近視眼的な視野を多方向、多方面に広げてもっと遠くを見るのである。

 例えば、眼鏡材料商社キッソオは国内の眼鏡業界からの収益が減少していることから、

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