『お金2.0―新しい経済のルールと生き方』
(佐藤航陽/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 ビットコインに代表される仮想通貨などのFintech(フィンテック:金融×テクノロジー)、シェアリングエコノミー(共有経済)や評価経済、ベーシックインカムの議論など、近年お金や経済のあり方が大きく変化しつつある。その潮流にはどんな意味があるのか、そしてこれから何が起こるのか、それが本書のメインテーマだ。

 本書は、経済やお金の起源、資本主義など近代に形成された「お金 1.0」を振り返り、それがテクノロジーによってゼロベースで書き換えられる「お金 2.0」の世界を描き出す。著者は決済プラットフォームや時間を売買する「タイムバンク」などを運営するメタップス創業者の佐藤航陽氏。事業で数億人の膨大な行動データとお金の流れを分析し、お金に苦労した幼少期と株式上場をともに経験した著者の語り口は、実感を伴いながらも論理的に展開されていく。

 そこで提示されるのは、格差の拡大などの資本主義の欠点を補う「価値主義」という新たな枠組みだ。それは経済だけでなく、社会構造や人々の価値観まで変化させてしまうという。まるで SF小説のようだと思う人こそ、ぜひご一読いただきたい。お金に関する知識だけではなく、これからの生き方や価値観まで多くの示唆があるはずだ。

著者:佐藤航陽(Sato Katsuaki)
 早稲田大学在学中の 2007年に株式会社メタップスを設立し代表取締役に就任。2011年にアプリ収益化プラットフォーム「Metaps」を開始、世界8拠点に事業を拡大。2013年より決済サービス「SPIKE」の立ち上げ。2015年に東証マザーズに上場。フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」などに選出。2017年に宇宙開発を目的とした株式会社スペースデータを設立。
第1章 お金の正体
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
第3章 価値主義とは何か?
第4章 「お金」から解放される生き方
第5章 加速する人類の進化

要約ダイジェスト

3つのベクトルが未来の方向性を決める

 現実の世界は、おおよそ3つの異なるベクトルが併存し相互に影響を及ぼしており、それらが未来の方向性も決めている。もちろん実際はもっと複雑で無数の要素があるだろうが、中でも影響力の強い3つは「お金」「感情」「テクノロジー」だ。

 私たちは生活をするためにお金を稼ぎ、人生の半分はそのために仕事をしている。お金は生きることと直結しているから影響力は絶大だ。次に影響力の強いのが感情(共感・嫉妬・憎悪・愛情など)だ。ある思想が全人類の共感を得ることはなくとも、一定の母集団を形成するのに役立つ。その意味ではお金の影響力よりは若干劣るが、とても強力な要素だ。

 最後はテクノロジーだが、99.9%の人はテクノロジーのことを考えなくても生活できる。ただ、テクノロジーは大きな変化のキッカケをいつでも作ってきた。テクノロジーは目まぐるしく変わっていき、かつ一定の流れがあって、1つの発明が次の発明を連鎖的に引き起こす。異なるメカニズムで動くこれら3つの要素が、それぞれ違うベクトルを指して進んでおり、

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