『遠ざけの法則―万人受けを狙わない熱狂的なファンのつくり方』
(中山マコト/著)

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  • 目次
 顧客を集め、ビジネスを成功させるには様々なやり方があるが、消費者の趣味趣向が多様化・細分化するなかで注目されているのが、万人受けを狙わない戦略、すなわちサービス・商品の個性や特長を極限までとがらせる手法だ。ただし、こだわり切ることで、一定の顧客には嫌われることも覚悟しなくてはならない。

 だが、実はそうしてターゲット以外を遠ざけることでクレームが事前に回避できるなどメリットもまた大きいのだ。そこで本書では、真っ赤な看板で辛いものが苦手な人を遠ざける「蒙古タンメン中本」、「ガチガチ専門」と名乗り、文字通り肩や腰がガチガチにこっている人以外を遠ざけるマッサージ店、トヨタの大衆的イメージから脱した「レクサス」など、様々な「遠ざけ」の成功事例を分析。
 
 さらに、人の心に火をつけ、本当に選ばれたい顧客に選ばれるための「イグニッションフレーズ」と呼ばれるメッセージの作り方までを明らかにし、万人受けを狙わずに熱狂的なファンをつくる方法を解説する。蒙古タンメン中本社長 白根誠氏へのインタビューも収録されており、商品開発やマーケティング、ブランディングなどに携わる方にとって多くの発想のヒントが見つかるはずだ。

著者:中山マコト(Nakayama Makoto)
 日本のマーケッター、シンクロニスト。「売れるヒントは人から訊き出せ! 」を人生訓に、インタビュー術を駆使した独自のマーケティング戦略「キキダスマーケティング」を開発、実践する。お客さまの心を動かす企画を考案し、大きな実績を上げ続けている。
 市場調査会社勤務後、マーケティング、販売促進、広告制作に携わり、小売業、飲食業、サービス業などの売り上げ強化に手腕を発揮する。広告・販促プランナー、コピーライターとして、大手製薬メーカー、日本有数の食品メーカー、飲料メーカー、日用雑貨メーカー、コンビニチェーン本部など、多くの国内外の有力企業をクライアントとして手がける。コンビニエンスストア・チェーンでの「お客を立ち止まらせるPOP」、量販店での「お客さまを呼ぶ売り場づくり」などにおいて、通常の2倍、3倍の売り上げアップを連発している。
 近年は中小企業やビジネスマンに対し、戦う武器としての「言葉の使い方」をテーマに講演を行っている。著書は、『整理整頓をしない人ほど、うまくいく。』、『9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。』(ともに、きずな出版)、『「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本』、『「バカ売れ」POPが面白いほど書ける本』(ともに、KADOKAWA)、『フリーで働く! と決めたら読む本』(日本経済新聞出版社)、『そのまま使える「爆売れ」コピーの全技術』(かんき出版)など、ベストセラー多数。
第1章 究極のメカニズム、踏み絵
第2章 視覚で分ける
第3章 敵をつくる
第4章 ターゲットで分ける
第5章 地名で分ける
第6章 キャッチフレーズで分ける
第7章 趣味嗜好で分ける
第8章 3行錬金術
最終章 特別対談「蒙古タンメン中本」の看板はなぜ真っ赤なのか?(蒙古タンメン中本社長 白根誠氏インタビュー)

要約ダイジェスト

共感してくれる人を引き寄せる

 あなたのビジネスにとって、あるいはあなたの会社にとっての幸せとは何だろうか?お客様に喜ばれること、売り上げが上がること、社員が成長すること…、どんなゴールでも構わないが、すべてに共通する必要条件がひとつだけある。それは「共感」だ。

 共感してくれるお客様がいるから、売り上げが上がるし、利益も出せるし、事業拡大にもつながる。また、お客の共感を得続けるためには、会社の方針や理念に共感する社員や協力先がいなければならない。共感してくれる仲間がいるからこそ、あなたの会社はお客の共感を得ることができ、社会に必要とされるのだ。

 このように、会社は共感してくれる人によって成り立っている。ということは、ビジネスとは共感してくれる人との出会いを創造する行為だと言える。では改めて、ビジネスにとって幸せとは何か?「共感してくれる人との出会い」、私はこれに尽きると考える。

「たくさんのお客さまに来ていただきたい」「多くの人に利用してほしい」という発想は理解できるが、むやみに引き寄せればいいというものではない。例えば、『ガチガチ専門』は、その名の通り、肩や背中や腰がガチガチにこっている人をターゲットにした店で、こり固まった筋肉をほぐす特殊な技術を持っている。

 もしもこの店が、せっかく他店が真似できない技術を持っているのに、大してこっていない人や、普通のマッサージ店で満足している人を相手にしたら、施術できる人数には限りがあるため、本来のターゲットであるガチガチにこっているお客さまと接する機会が減ってしまう。

 だから、この店は看板に『ガチガチ専門』と明示して、ガチガチ向けに開発した特殊な技術を、然るべきターゲットに届けられるようにした。ガチガチ専門というコンセプトに共感する人を強力に引き寄せることで、そうではない人を招き入れないようにしているのである。

 入るべき店を間違うことは、顧客にとっても店にとっても不幸だ。それには、誰彼構わず引き寄せるのをやめることだ。共感してくれる人だけを引き寄せられれば、ミスマッチの悲劇は起こらないのである。

共感してもらいたいものは何か

 では、どうしたら共感してくれる人だけを引き寄せ、そうではない人を遠ざけることができるのか。最も大切なことは、

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