- 本書の概要
- 著者プロフィール
この破滅願望は、成功や成長への願望の裏で誰の心にも存在し、目標達成を妨害し、人生を失敗へと導いてしまうという。では、この破滅願望とどう向き合っていけばいいのか。そのためにはまず、破滅願望の存在を認め(目覚める)、そしてそれに打ち勝つ行動をとる(生きる)ことであると著者は主張する。
「成功の公式」として紹介される内容はシンプルかつ明快な行動基準として示され、実に80年近く前に書かれた内容にもかかわらずいまなお通用する原理原則となっている。また、「as if の法則」など近年再び話題となっている考え方も平易に紹介されており、多くの方の人生にとって、示唆が多い一冊となるはずだ。
1893~1948年。シカゴ生まれ。シカゴ大学とミシガン大学を経て、米国医師会誌やシカゴ・レコード・ヘラルド紙、シカゴ・トリビューン紙で記者や編集者として活躍。1934年に『Becoming a writer』で作家デビューし、1935年に推理小説『Most Beautiful Lady』、1936年には本書の原書『Wake up and Live!』がベストセラーとなる。その後も、執筆活動を続けながら、編集や作家育成スクールの運営など幅広い活動に従事。
翻訳:小林 薫(コバヤシ カオル)
産業能率大学名誉教授。国際経営評論家。NHKのテレビ番組「英語で勝負」「英語ビジネスワールド」の講師でもおなじみ。1931年東京生まれ。東京大学法学部卒業。マンハッタン大学経営学部にフルブライト留学。著訳書多数。
第2章 破滅願望
第3章 破滅願望の犠牲者たち
第4章 失敗の報酬
第5章 成功の公式で進路を正す
第6章 成功の公式をどう実践していくか
第7章 アドバイスと資質
第8章 むだ口をきかない
第9章 想像力の果たす大きな役割
第10章 決まりと基準
第11章 成功するための12の教え
第12章 全力を尽くして生きる
要約ダイジェスト
なぜ失敗するのか
破滅願望の存在
失敗することに費やしていた時間とエネルギーを成功のほうに傾けていたら、間違いなく成功していたはずだ。これはナンセンスな逆説ではなく、文字どおりの真実である。
失敗とは、エネルギーを正しくない方向に注ぎ込んでしまったことを意味する。失敗するにもエネルギーは欠かせないのだ。貴重な時間を暇つぶしのために使って失敗しているのであれば、エネルギーが正しい方向に流れていないことはすぐにわかる。
ところが、どう見ても気晴らしのようには見えず、仕事に一生懸命に励んでいるように見えるあまり、周囲から称賛され自己満足すら覚える時間つぶしもある。しかし、よく見れば、そういう時間の使い方は疲れと不満を残すだけで、エネルギーを失敗の追求に注いでいるのだと理解できる。
では、なぜ失敗を目指してあくせく努力してしまうのだろうか。それは、人間が「生きようとする意志」や「権力を持とうとする意志」に従う動物であると同時に、「失敗(破滅)しようとする意志」にも動かされているからである。
失敗から成功へ転じるには、