『最強の農起業!』
(畔柳茂樹/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 都会での生活に疲れたり、心機一転新しいことをやりたいと考え、農業界に転身する人が近年増えてきている。本書の著者も会社員生活に嫌気がさし、45歳で脱サラして農業をはじめた1人だ。そのように「農起業」する人の多くが、労働量の多さや収益性の低さに苦戦し、思うような生活が送れないのが実情だが、著者は違う。2,000万円の年収を得ながら、オフシーズンには週休5日で過ごすというゆとりのある生活を実現したのだ。

「ブルーベリーファームおかざき」を経営する著者は、自動車部品大手デンソー出身者としての強みを活かし、生産性という概念が希薄な農業の作業工程を分析し、一つひとつの合理化を図った。本書ではその柱となった、「無人栽培」「観光農園」「IT集客」という3つの柱それぞれついて、具体的な導入の経緯やポイントわかりやすく解説。

 著者はいわゆる「好きなことを仕事にして成功した」人物だが、その裏側には生産性を高めて収益を上げるための緻密な戦略だけでなく、情熱的で泥臭い粘り強さがある。本書ではブルーベリーという作物を選んだ理由や、理念やブランディングについての考え方も論理的に書かれており、一読すれば、起業や農業に対する著者の熱い想いが理解できるはずだ。農業ビジネスや脱サラ起業を志す方に、勇気と武器を与えてくれる一冊である。

著者:畔柳 茂樹(Kuroyanagi Shigeki)
 農業起業家。愛知県岡崎市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。自動車部品世界№1の株式会社デンソーに入社。40歳で事業企画課長に就任したが、ハードワークの日々に疑問を持つようになり、農業への転身を決意。2007年45歳で年収1千万円の安定した生活を捨て独立し、観光農園「ブルーベリーファームおかざき」を開設。
 起業後は、生産性の発想が乏しい農業界で、効率化、収益性などを厳しく求められるデンソー時代に培ったスキルを生かし、栽培の無人化、IT集客など様々な施策を打つ。今ではひと夏1万人が訪れる地域を代表する観光スポットとなる。わずか60日余りの営業にもかかわらず、会社員時代を大きく超える年収を実現。近年は観光農園プロデュースに取り組み、被災地復興事業として気仙沼にも観光農園を立ち上げた。これらの経歴・活動がマスコミで注目され、取材・報道は100回を超える。
プロローグ
Chapter1 なぜブルーベリーだったのか?
Chapter2 理念、戦略、ブランディング
Chapter3 めざすは生産性の高い農業
Chapter4 無人栽培
Chapter5 観光農園システム
Chapter6 IT集客
Chapter7 農業を志す方へ
Chapter8 人生を変えたいあなたへ
あとがき

要約ダイジェスト

なぜブルーベリーだったのか?

 私は10年前、たった1人で脱サラ起業した農園オーナーで、常時雇用している社員は1人もいない。斜陽産業にわざわざ好き好んで飛び込んだ私は、ブルーベリー狩り観光農園「ブルーベリーファームおかざき」を開設し、年間の営業日60日余りで1万人を集客し、2,000万円超を売り上げて、残りの9か月余りを週休5日程度で悠々自適に暮らしている。

 斜陽産業の農業でありながら、このような生産性の高い農業を可能にしたのは、素人でも可能な「無人栽培」、「観光農園システム」、そしてネットとメディアを活用した「IT集客」という3本の柱によるところが大きい。

 当初、こんな農業をしてみたいという方向性は3つ持っていた。「お客様と交流できる」こと、「人と地球にやさしい」こと、「目新しく、斬新」であることの3つだ。この3つの方向性を考えると、有機農業で多品目の野菜を栽培しての通販・宅配か、フルーツを栽培する観光農園に絞られた。

 ただ、有機農業はほとんどが手作業になるので、その作業時間は相当なものだ。忙しいうえに収益は限られるというのが有機農業の本質だった。一方、観光農園の場合、

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